研究課題/領域番号 |
10557027
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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研究分担者 |
鈴木 宏志 中外製薬, 創薬資源研究所, 主任研究員
坂下 直美 熊本大学, 医学部, 助手 (90284752)
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 助教授 (90155052)
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キーワード | 粥状動脈硬化症 / スカベンジャー受容体 / ノックアウトマウス / 泡沫細胞化 / 形態計測 / マクロファージ / 画像解析装置 / マウス |
研究概要 |
ApoE欠損マウスならびにLDL受容体欠損マウスにおける粥状硬化病巣の形成過程を、画像解析顕微鏡システムを用いて検討した。具体的には、大動脈弁を横断する高さの異なる4つの切片を作製し、脂肪染色陽性となる粥状硬化病巣の面積を画像解析装置で計測した。その結果、粥状硬化病巣の形成過程を定量的に解析することが可能となった。次に、マクロファージの泡沫細胞化に関与するマクロファージスカベンジャー受容体(MSR-A)とLDL受容体欠損マウスの二重欠損マウスについて、粥状硬化病巣の形成過程を比較すると、MSR-A欠損によって粥状硬化病巣の進展が抑制されることが定量的に証明され、今回の解析方法が粥状硬化病巣の解析に有用であることが示された。 MSR-A/LDL受容体二重欠損マウスでの病巣サイズの減少率は、我々が以前に検索したアポE/MSR二重欠損マウスにおける約60%のサイズ低下より小さく、約20%の減少にとどまった。正常食飼育のアポE単独およびアポE/MSR二重欠損マウスに比べ、高脂肪食飼育のLDL受容体単独およびLDL受容体/MSR二重欠損マウスでは著明な高コレステロール血症が観察され、この様な条件下ではMSR欠損のみでは病巣形成の抑制には不十分で、CD36、MARCO、CD68/MacrosialinなどのMSR以外のスカベンジャー受容体がマクロファージの脂質取り込みに関与する関与するものと考えられた。 画像解析顕微鏡システムによってマウスの粥状硬化病巣の定量的解析が可能となったので、今後マウスの粥状硬化モデルを用いて、各種動脈硬化治療薬の効果判定への応用を進める予定である。
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