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1998 年度 実績報告書

細胞間情報伝達を標的とした細菌感染症治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10557031
研究機関筑波大学

研究代表者

清水 徹  筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80235655)

研究分担者 太田 敏子  筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40233134)
倉園 久生  筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90186487)
林 英生  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40033203)
キーワードClostridium / 細胞間情報伝達 / 感染症治療
研究概要

平成10年度の当該研究を以下のように行ったので報告する。
1. ウェルシュ菌培養上滑中の細胞間刺激物質の性状解析
ウェルシュ菌、strain 13の培養上清を調製し、その中に含まれる細胞間刺激物質の特性を検討した。活性測定は変異株SI112にstrain 13の培養上清を加え、全RNAをSI112から抽出し、 θ-毒素遺伝子(pfoA)をプローブとしたノザンハイブリダイゼーション法にて刺激物質のpfoA遺伝子転写誘導活性を測定したところ、有意にpfoA遺伝子の転写活性が上昇し、なおかつκ-毒素遺伝子(colA)およびα-毒素遺伝子(plc)の転写も上昇した。このことからこの培養上清中の刺激物質は3つの毒素遺伝子の転写をグローバルに調節する因子であることが明らかとなった。
この因子をVAP(virulence activating pheromone)と命名し、様々な性状を解析した。VAPはpH5.0付近で活性がもっとも強く、煮沸により容易に失活し、分子量は3,000以下と非常に低分子の物質であった。培養上滑中では速やかに失活することから、非常に不安定な物質と考えられた。
2. 細胞間刺激物質の精製法の確立
VAPの性状解析によりもっとも活性保持に安定な条件を決定し、その条件下にて精製法を検討した。VAPが非常に不安定であることから、培養上清を速やかに調整し、逆相カラムクロマトグラフィー(C18,C8)を用いた分取をただちに行い、アセトニトリルの濃度勾配で溶出される分画中の活性を測定した。C18よりC8カラムへの吸着が強く、20〜40%の濃度で溶出されることが明らかとなった。
今後は得られた結果をもとにしてVAPの大量精製を行い、その構造解析や阻害物質のスクリーニングなどを行い、VAPを標的とした新たな治療法の確立をめざす予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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