研究課題/領域番号 |
10557034
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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研究分担者 |
三輪 清志 味の素株式会社, 創薬研究所, 所長
冨山 宏子 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (50301370)
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キーワード | HLAクラスI / 細胞傷害活性T細胞 / エピトープ / ワクチン / HLA-A11 / リバース・イムノジェネテックス / HIV-1 / HLA-A33 |
研究概要 |
本研究は、MHC抗原が多様性に富んでいるヒトで有効なワクチンを作成するために、新しい概念に基づいたワクチンを作製することを目的とする。すなわち多数のHLAクラスIに提示されるCTLエピトープを同定し、これらを用いてヒトに有効なCTL誘導型のワクチンの開発をする。既に30種類のHIV-1 cladeB CTLエピトープを明らかにしているが、本年度新たにHLA-A*1101拘束性のHIV-1 cladeEに対するCTLエピトープを同定した。また、HLA-A*3303拘束性HIV-1 cladeB CTLエピトープを同定した。 1.HLA-A*1101拘束性HIV-1 cladeEエピトープの同定: すでに明らかになっている8種類のHLA-A11拘束性のHIV-1 cladeBに対するCTLエピトープを用いて、HIV-cladeEに対するCTLエピトープの同定を試みた。8種類のうち、3種類のエピトープはcladeBおよびE間で一致していた。この3種類のエピトープはcladeE感染者でもエピトープとして認識されていた。一方、他の5種類はcladeBとcladeE間で一致していなかった。そこで、cladeEにみられるシークエンスに基づいてペプチドを合成し、cladeE感染者で調べたところ、3種類はエピトープとして認識されていた。これら6種類のエピトープに特異的なCTLはcladeEウイルス感染細胞を傷害した事から、体内でcladeE感染細胞の排除に重要な役割を果たしていると考えられた。 2.HLA-A*3303拘束性HIV-1 cladeB CTLエピトープの同定: 昨年度あきらかにした119種類のHLA-A*3303結合HIV-1ペプチドを用いて、リバース・イムノジェネテックス法により6種類のHIV-1エピトープを明らかにした。
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