研究課題/領域番号 |
10557041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
三角 順一 大分医科大学, 医学部, 教授 (40109658)
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研究分担者 |
青木 一雄 大分医科大学, 医学部, 助手 (60201282)
島岡 章 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40136792)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | スナネズミ / ヘリコバクタピロリ / ステリグマトシスチン / 亜硝酸塩 / 胃がん / 肝がん / ガストリン |
研究概要 |
目的 胃がん発生のメカニズムを解明するため、スナネズミのヘリコバクタピロリ感染モデルを作成し、この動物にヘリコバクタトキシン、カビ毒素ステリグマトシスチンおよび亜硝酸塩を投与し、血清学的、病理学的細菌学的分析を行う。 方法 5週分のスナネズミ315匹を7群即ち、無処理群、Hピロリ単群、Hピロリとステリグマトシスチン100ppb、Hピロリとステリグマトシスチン1ppm群・Hピロリと亜硝酸塩200ppm、Hピロリと亜硝酸塩2000ppm群およびHピロリ縣濁液上清群に分割した。 投与方法 ステリグマトシスチンおよび亜硝酸塩、Hピロリ液上清は餌に混ぜて投与、水は自由摂取とした。それぞれの薬物は1週間毎に調整した。 2年6ヶ月間経口投与後、一部途中で死亡したものを除き全例を解剖した。胃組織は半分を細胞学的検査に他を病理組織学的検査のため10%ホルマリン固定した。 解剖時血液を採取し、Hピロリ抗体、ガストリンペプシノーゲンの測定に用いた。 IgG抗体価はELISAで測定した。病理組織学的検査HE染色、PAS染色、アリューシャンブルー染色を行ない一部電子顕微鏡的検査を行った。血清ガストリンはRIA法にて測定された。 結果 Hピロリ抗体陽性率はHピロリ単独群44匹中28匹(63.6%)、HピロリとST100ppb群36匹中30(83.3%)、HピロリとST1000ppb群36匹中26匹(72.2%)であった。またHピロリと亜硝酸塩2000ppm群では35匹中25匹(71.4%)、2000ppm群33匹中19匹(57.6%)であった。 胃がん発生はHピロリ単独群で18匹(409%)ST(100)群で26匹(72.2%)、ST(1000)群で23匹63.9%で、ST投与群は対照群およびHピロリ単独群に比し有意に多発していた。 また肝がん発生は、亜硝酸塩(200ppm)群は10匹28.6%で亜硝酸(2000ppm)群では31匹90.9%で著しい増加を示した。Hピロリ投与群では血清ガストリンは有意に上昇した。 結論 Hピロリは単独で胃がんを発生しST投与で胃発がんを増強する。亜硝酸塩はHピロリ感染ネズミにおいて肝がんを多発することが明らかとなった。
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