研究課題/領域番号 |
10557045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岡崎 勲 東海大学, 医学部, 教授 (00051649)
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研究分担者 |
逢坂 文夫 東海大学, 医学部, 講師 (70096204)
朴沢 重成 東海大学, 医学部, 講師 (40181482)
渡辺 哲 東海大学, 医学部, 助教授 (10129744)
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キーワード | 肝機能検査異常 / 職域健康管理 / β_3-advenergic receptor / 脂肪肝 / インスリン抵抗性病態 |
研究概要 |
最近私共は職域健康管理の面から某自動車製造工業の生産ラインからセールス部門に出向した労働者の人達を観察したところ、セールス部門に移ったことによる生活習慣の変化から、肝機能検査異常、高血圧、高脂血症、肥満、糖代謝異常などがみられてくることを明らかにした。さらに、職場の配置転換などのストレスと肝機能異常との関連を示した。一方、β_3-adrenergic receptorにmutationがある人は交感神経刺激による内臓脂肪の反応が不良で肥満をきたしやすいことが広く知られてきている。そこで、β_3-adrenergic receptor mutationのみられる人に、ストレスという交感神経系の擾乱がβ_3-adrenergicreceptor mutationを介して肝機能障害の成因に関わっている可能性があると私共は仮説した。 平成10年度行ったことは以下のとうりである。 1. 某事業所(4,000人規模)の35歳時の定期健康診断の際に、会社の労使はもとより、衛生委員会で了承され、さらに受診者の同意を得て、β_3-adrenergic receptor mutationの遺伝子検索を行うために採血を行った。約150人の採血が終了し、β_3-adrenergic receptor mutationをβ_3-adrenergic receptor第1エクソン内のヒトで変異が報告されている部位をPCRで増幅して検索した。Arg/Arg群(2つの遺伝子ともmutationがみられる)は2%、Trp/Arg群は31%、Trp/Trp群は67%であった。 2. 現在、これらのg_3-adrenergic receptor mutationの成績と、肝機能検査異常の出現時期との関連を検討する。すなわち、私共は、これによりretrospectiveに肝機能検査異常の発症のリスクがβ_3-adrenergicreceptor mutationを有する人達に多く見られるかを明らかにしたい。さらにストレスを受けやすい体質であるか、などとの関連について遺伝疫学的に研究を進めている。 3. 遺伝子検査を健康観理学に導入したときの有用性および問題点を整理し論文を作成し、現在日本医事新報に投稿中である。
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