研究課題/領域番号 |
10557045
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岡崎 勲 東海大学, 医学部, 教授 (00051649)
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研究分担者 |
逢坂 文夫 東海大学, 医学部, 講師 (70096204)
朴沢 重成 東海大学, 医学部, 講師 (40181482)
渡辺 哲 東海大学, 医学部, 助教授 (10129744)
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キーワード | multiple risk factor syndrome / β3adrenergic receptor / ALDH2 / 肝機能障害 |
研究概要 |
今年度の新たな取り組みは、multiple risk factor syndromeでGPTの上昇をβ3AR遺伝子型だけでは説明できなかったので、アルコール代謝に関連するアルデヒド脱水素酵素(alcohol dehydrogenase 2;ALDH2)遺伝子型の検索を併せて行った。対象は、約4000人の某企業で、35歳時職場健診を受診しInformed Consenが得られた151名を対象とした。大学の倫理委員会および本人の承諾を得た。ALDH2 1/1を活性型、ALDH2 1/2とALDH2 2/2を非活性型とした。統計処理は、Mann-Whitney's U test、χ2検定、分散分析で行った。 肝機能検査異常者は23名みられた。このうち、B型、C型肝炎ウイルス陽性でそれによる慢性肝疾患によると推測される症例はみられなかった。肝機能検査異常者群と肝機能検査正常群とを比較して、β3AR遺伝子型には差はみられなかった。すなわち、Arg64アレルの出現頻度は肝機能障害群では16.7%、肝機能正常群では17.9%と両群で差はみられなかった。しかし、BMIが24.2以下の群でみると、β3AR遺伝子の変異群で拡張器血圧、GOT、GPTの高値がみられた。ALDH2の活性型については、肝機能検査異常者群で有意に多かった。心血管危険因子ありの群は、危険因子なしの群に比し、ALDH2活性型が多く(p=0.0154)、肝機能障害の率が高かった(p<0.0001)。対象をBMIにより分類すると、BMI正常群(19.8【less than or equal】BMI【less than or equal】24.2)では肝機能障害者4例はいずれもALDH2活性型かつβ3AR変異型であった。二元配置分散分析では、BMI正常群においてALDH2活性型およびβ3AR変異型はそれぞれ独立してGPT(ALT)を上昇させていた。
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