研究課題/領域番号 |
10557048
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
武市 早苗 東海大学, 医学部, 教授 (20035497)
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研究分担者 |
田中 明 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (70171733)
岡崎 三代 東京医科歯科大学, 教養科, 教授 (20013998)
斉藤 剛 東海大学, 医学部, 助手 (30266465)
湯川 修弘 東海大学, 医学部, 講師 (30240154)
大澤 資樹 東海大学, 医学部, 助教授 (90213686)
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キーワード | remnant-like Particles(RLP) / 心臓性突然死(SCD) / 冠動脈硬化進展度 / 血小板凝集能 / 血管攣縮(冠動脈攣縮) / レムナント分画の脂肪酸分析 / アポ蛋白遺伝子塩基置換 / 死後変化 |
研究概要 |
我々はリポ蛋白の中間代謝産物レムナントをアポ蛋白の免疫学的識別法を用いて分離精製し、remnant-like particles(RLP)と命名、心臓性突然死(SCD)の危険因子としての可能性を検討してきた。 (1)SCD症例でRLPが有意に高値であった.(2)冠動脈硬化進展度には、LDL-CよりもRLPコレステロール(RLP-C)がより密接に関連していた.(3)冠動脈硬化のないSCDではRLP-TGの異常高値が特徴的であった。(4)in vitroにてフェニレフリンで収縮させた家兎の腹部大動脈を用いアセチルコリン累積投与による弛緩反応を観察、次いでSCD症例から分離精製したRLPを添加したところ弛緩反応が強く抑制された。(5)健常成人血液に種々濃度に調整したRLPを添加し、血小板凝集能をみたところRLP-TG濃度に依存した強い凝集反応が得られた。これはシロスタゾール、PGE_1等で抑制されたが、アスピリンでは抑制されず、赤血球膜から遊出したADPを介するRLP依存性の凝集反応であると考えられた。(6)レムナント分画の脂肪酸分析を行なった結果、EPA/AA比がSCD群0、381、対照群0、514であり、SCD症例の脂肪酸組成が血栓易形成性であることが示された。以上のように冠動脈硬化のないSCDではRLP-TGのもつ血管牽縮、血小板凝集能などの生理活性に関連した突然死である可能性が示された。(7)各種アポ蛋白遺伝子内の塩基置換ないし欠失多型のうちアポAIV(Asp127Ser)、アポCIII(Sacl多型)にRLP-Cの有意高値を認め、LPLのAsn291Ser変異でRLPの高値を認めた。(8)本研究が死体血を用いるため、当初よりRLPの死後変化の検討を続けており、HPLC、SDS-page、アガロース電気泳動、電子顕微鏡で死後12時間までの安定性を確認し、更に死後の遊離グリセロール産生の問題はドライケム法とグリセロール消去法(Determiner-L TG)を比較検討することで解決した。
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