• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

組み換え分子クローンを用いた自然感染による慢性脊髄炎動物モデル

研究課題

研究課題/領域番号 10557062
研究機関九州大学

研究代表者

吉良 潤一  九州大学, 医学部, 教授 (40183305)

研究分担者 小柳 義夫  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (80215417)
岩城 徹  九州大学, 医学部, 教授 (40221098)
原 英夫  九州大学, 医学部, 講師 (00260381)
キーワードHTLV-I / ラット / HAM / クローン / サイトカイン / Th1 / Th2バランス / 中枢神経 / 末梢神経
研究概要

1.HTLV-I感染ラットモデルにおける研究
MT2接種群11匹、Fuk株接種群5匹、未接種サイクロフォスファミド投与群4匹において、中枢及び末梢神経系の神経病理学的検索を行った。HTLV-I感染ラットでは、脊髄や末梢神経においてマクロファージの浸潤を伴う空腔変性を認めた。これに加えて、大脳、小脳、脳幹においても白質に明らかなマクロファージの浸潤がみられ、空腔形成や髄鞘の淡明化をも伴っていた。これらの変化は麻痺を有するラットで強い傾向があった。しかし、リンパ球の浸潤は認めなかった。以上より、HTLV-I感染老齢ラットでは脊髄、末梢神経のみならず、神経系に広汎に病変が拡がっていることが明らかとなった。
2. HTLV-Iの分子クローン化
HIVの分子クローン化の技術にならって、HTLV-Iの分子クローン化に取り組んでいるが、現状では未だ成功しておらず、引き続き研究を進めていく予定である。
3. HAM/TSPにおける研究
末梢血CD4陽性T細胞の産生するサイトカインの産生パターンをフローサイトメトリーを用いて検索した。HAMではCD4陽性T細胞のうち、IL-4^+/IFNγ細胞の有意な減少があり、このためIFNγ/IL-4産生細胞比が有意に高値となっていた。したがって、HAMの発症にThl優位な状態が関与していることが明らかとなった。今後、動物モデルを作成する際にも、Th1/Th2バランスをTh1側ヘシフトさせる処置を講ずることが重要と考える。このような点も考慮に入れて、さらに動物モデル作りに取り組んでいく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kira J, et al.: "Acute myelitis with hyper IgEaemia and mite antigen specific IgE:atopic myelitis" J Neurol Neurosurg Psychiatry. 64. 676-679 (1998)

  • [文献書誌] Kira J, et al.: "Multiple sclerosis with mite antigen specific IgE" J Neurol Sci. 157. 138-142 (1998)

  • [文献書誌] Kira J, et al.: "The frequency of mite antigen-specific IgE significantly increasedd in acute localized myelitis (atopic myelitis) as well as in AIDP" J Neurol Sci. 155. 224-225 (1998)

  • [文献書誌] Ito H, et al.: "HLA-DP-associated susceptibiilty to optico-spinalform of multiple sclerosis in the Japanese" Tissue Antigen. 52. 179-182 (1998)

  • [文献書誌] Kira J, et al.: "Clinical, immunological and MRI features of myelitis with atopic dematitis (atopic myelitis)" J Neurol Sci.in press.

  • [文献書誌] Ono T, et al.: "Molecular analysis of HLA class I (HLA-A and -B) and HLA class II (HLA-DRB1) genes in Japanese patients with multiple sclerosis (Westem type and Asian type)" Tissue Antigen. in press.

  • [文献書誌] 吉良潤一: "今日の治療方針 2000年版" 医学書院(印刷中), (1999)

  • [文献書誌] 河野祐治, 吉良潤一: "Molecular Medicine 感染性神経疾患" 印刷中, (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi