研究課題/領域番号 |
10557071
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 正二 大阪大学, 医学部, 教授 (20124779)
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研究分担者 |
豊福 利彦 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大津 欣也 大阪大学, 医学部, 助手 (20294051)
西田 昌司 大阪大学, 医学部, 助手 (40283783)
北風 政史 大阪大学, 医学部, 助手 (20294069)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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キーワード | 血管平滑筋細胞 / Mn-SOD / プレコンディショニング / 温熱負荷 / TNF-α / 細胞障害 |
研究概要 |
本申請研究においては、動脈硬化巣における炎症反応、特に、活性酸素ラジカル代謝がWillersonらの主張する「動脈硬化巣のホットスポット」を作成し、plaqueの不安定化をもたらすとの仮説に則り、ラジカル代謝を制御することによりplaqueの安定化が図れるか否かを検討する。この目的を達成するため、in vitroの培養血管壁細胞を用いてラジカル産生が細胞機能障害をもたらすか否かを検討し、内因性ラジカル消去系の誘導を介したplaque ruptureの予防が可能か否かの検討を開始した。 ラット大動脈由来の培養血管平滑筋細胞に低酸素-再酸素化を負荷すると、細胞よりLDH湧出が認められた。前もって温熱負荷(heat shock)、または、TNF-αを負荷すると、低酸素-再酸素化による平滑筋細胞からのLDH遊出が抑制された。かかるheat shock、TNF-αによるプレコンディショニング時の平滑筋細胞内Mn-SOD蛋白質量をELISA法にて定量すると、著明な蛋白質量の増加を認めた。一方、Mn-SOD mRNAに対するアンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド投与によりMn-SOD誘導を抑制すると、プレコンディショニングによる平滑筋細胞障害の減弱効果は抑制された。 以上の結果は、平滑筋細胞内のMn-SODは、種々の外的刺激により誘導されること、酸化ストレスに対する血管平滑籍細胞の耐性はかかるMn-SOD誘導によって増強し得ることを示している。
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