研究課題/領域番号 |
10557071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 正二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20124779)
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研究分担者 |
西田 昌司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40283783)
北風 政史 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294069)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80150340)
豊福 利彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手
大津 欣也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20294051)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 急性冠症候群 / 酸化ストレス / Mn-SOD / 炎症 |
研究概要 |
近年、冠動脈造影検査などから、心筋梗塞が高度の冠動脈狭窄病変から発症するものではなく、軽度の動脈硬化病巣が不安定化することにより、動脈硬化巣の破裂(plaque rupture)を生じ、plaque内容物の放出、さらには、血栓形成により冠動脈の閉塞をもたらし発症する可能性が指摘され、心筋梗塞の発症予防には、plaque rupture予防法の開発が急務となっている。本申請研究においては、動脈硬化巣における炎症反応、特に、活性酸素ラジカル代謝がWillersonらの主張する「動脈硬化巣のホットスポット」を作成し、plaqueの不安定化をもたらすとの仮説に則り、ラジカル代謝を制御することによりplaqueの安定化が図れるか否かを検討した。初年度において、ラット大動脈由来の培養血管平滑筋細胞の低酸素-再酸素化モデルにおいて、温熱負荷(heat shock)、または、TNF-αによるプレコンディショニングが、平滑筋細胞内のMn-SOD誘導ともに酸化ストレスに対する耐性を増大させることを明らかにした。第二年度には、Mn-SODのアンチセンスオリゴデオキシリボヌクレオチド投与によりTNF-α刺激によるMn-SOD誘導が著明に制御されたが、この時、平滑筋細胞の酸化ストレスに対する耐性も抑制されたこと、リポフェクション法により、Mn-SODは平滑筋細胞内に局在して導入されたが、同時に、細胞の酸化ストレス耐性が亢進することを明らかにした。以上の結果は、血管壁細胞における抗酸化酵素の発現が平滑筋細胞の生存と密接にかかわっており、積極的にMn-SODを血管平滑筋細胞に誘導、または、導入することにより、動脈硬化病巣の安定化を図れる可能性を示している。
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