研究課題/領域番号 |
10557072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金出 英夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80038851)
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研究分担者 |
平野 勝也 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80291516)
西村 淳二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90237727)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 細胞シグナル伝達 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / fura-2 / BCECF / 光学線維束 / 血管緊張調節 |
研究概要 |
本研究の目的は、血管標本の細胞シグナル伝達網、エネルギー代謝、機能変化を、可能なかぎり同時連続観察できる光学システムを開発し、これを用いて血管の緊張制御や増殖制御機序を明らかにすることである。以下の成果を得た。(1)『血管平滑筋細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)-張力の同時連続観察光学システム』を完成した。これはシリーズ「METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY」の1分冊「Calcium Signaling Protocols」の1章「Measurement of[Ca^<2+>]i in smooth muscle strips using front-surface fluorimetry」(DG Lambert編、Humana Press)として広く紹介された。(2)豚腎動脈において、フェニレフリン収縮中にタプシガルギンを投与すると、内皮細胞の容量性Ca^<2+>流入を伴って、3相性の内皮依存性血管緊張変化が引き起こされる。すなわち、平滑筋の[Ca^<2+>」i低下を伴った初期の一過性弛緩、[Ca^<2+>]i上昇を伴った一過性収縮、[Ca^<2+>]i変化を伴わない持続的弛緩である。これらの内皮依存性血管反応において、一過性収縮には主としてトロンボキサンA2が、初期の弛緩にはEDHFとNOが、持続的弛緩にはNOが関与することを明らかにした。(3)『[Ca^<2+>]iと[pH]i変化および張力の同時連続測定システム』を開発した。(4)このシステムを用いる、[Ca^<2+>]iと[pH]iの同時測定によって、血管平滑筋のアルカリ化における収縮増強作用の機序を検討した。NH_4Cl投与によるアルカリ化は、細胞外からのCa^<2+>流入と[Ca^<2+>]i上昇を引き起こし、収縮を増強することが明かとなった。このCa^<2+>流入にはSKF96365感受性Ca^<2+>流入経路、すなわち、おそらくは容量性Ca^<2+>流入が主要な経路であると考えられた。
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