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1998 年度 実績報告書

Duchenne型筋ジストロフィーの新しい治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 10557076
研究機関神戸大学

研究代表者

松尾 雅文  神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)

研究分担者 竹島 泰弘  神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (40281141)
キーワードジストロフィン遺伝子 / エクソン / スプライシング / スキッピング / アンチセンスオリゴオヌクレオチド
研究概要

Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)では、ジストロフィン遺伝子内の欠失の異常により、ジストロフィンmRNAのアミノ酸読み取り枠にずれが生じる。このため、DMD患者ではジストロフィン蛋白はまったく合成されない。
私たちは、DMD患者が有するアミノ酸読み取り枠のずれを修正することにより、ジストロフィンの合成を可能とする新しい治療法を提唱してきた。これは、DMD患者でジストロフィンのmRNA前駆体のスプライシングを制御することにより、アミノ酸読み取り枠を修正するものである。現在までに、ジストロフィンのエクソン19内のスブライシング促進配列に対するアンチセンスオリゴオヌクレオチドを投与することにより、エクソン19のスキッピングを誘導することに成功した。
そこで、このエクソンスキッピングのDMD患者での有効性を検討するため、エクソン20を欠失したDMD患者由来細胞にアンチセンスオリゴオヌクレオチドを投与した。そして、DMD患者由来細胞内のジストロフィンmRNAを解析したところ、エクソン19と20の2エクソン配列が欠失していることを確認し、ジストロフィンのエクソン19のスキッピングを誘導することに成功した。その結果、ジストロフィンmRNA上のアミノ酸読み取り枠のずれは修正され、ずれのないmRNAを産生させることに成功した。今後、このずれのないmRNAを発現した細胞で、ジストロフィン蛋白が合成されていることを確認する予定である。そして、この成果を患者の治療に応用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shiga,N,Matsuo,M,Yokoyama,M,Yokota,Y.: "Study on mutations affecting the muscle promoter/first exon of the dystrophin gene in 92 Japanese dilated cardiomyopathy patients." Am J Med Genet.79. 226-227 (1998)

  • [文献書誌] Surono,A,Takeshima,Y,Wibawa,T,Ikezawa,M,Nonaka,I,Matsuo,M.: "Circular dystrophin RNAs consisting of exons that were skipped by alternative splicing." Hum Mol Genet.8. 493-500 (1999)

  • [文献書誌] Chen,D,Takeshima,Y,Ishikawa,Y,Ishikawa,Y,Minami,R,Matsuo,M.: "A novel deletion of the dystrophin S-promoter region co-segregating with mental retardation." Neurology. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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