研究課題/領域番号 |
10557078
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
桃井 真里子 自治医科大学, 医学部, 教授 (90166348)
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研究分担者 |
野崎 靖之 自治医科大学, 医学部, 助手 (90281295)
津留 智彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (90296111)
斎藤 茂子 自治医科大学, 医学部, 講師 (00260836)
中村 美樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (20296114)
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キーワード | 三塩基対リピート疾患 / 脆弱X症候群 / Pfu polymerase ポリメラーゼ / 毛根 / 遺伝子診断 |
研究概要 |
酸塩基対反復配列疾患である脆弱X症候群の遺伝子診断スクリーニングについて、検討した。従来では PCR 法による(CGG)n含有フラグメントの増幅検出率は 100%ではなく、非罹患者男子の同定は不確実であり、サザン法を必要とした。これに対し、Pfu polymerase を使用した PCR法で、正常長フラグメントを、100%の確立で検出し、非罹患者男子の診断を確実にすることができた。これによって、フラグメントが検出されなかった男子は、全て、サザン法でリピートの延長が認められ、罹患者であり、罹患男子の診断も 100%であった。さらに、血液試料による診断スクリーニングを、より、非侵襲的にするために、尿、毛根による診断法を試みた。尿による PCR 診断は、正常フラグメントの検出率が 90%台であり、スクリーニングには適さなかった。一方、毛根は1本で、正常フラグメントを 100%の例で検出し、かつ、罹患者男子には検出されず、診断率は 100%であり、スクリーニングに適していると考えられた。これらにより、血液、または、毛根を試料として、 PCR のみで、男子罹患者のスクリーニングが可能となった。実際に、知的障害男子 200 名において、保護者への説明と同意を得てスクリーニングを施行し、2名の罹患者を診断した。罹患者は、いずれも、身体的特徴、染色体脆弱部位を有さず、成人罹患者であっても、特徴的身体症候のない例が少なくないことが判明した。また、これにより、日本における本疾患の罹患者は、欧米よりも、低いことが推定された。
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