研究課題/領域番号 |
10557084
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
武田 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10197311)
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研究分担者 |
赤塚 孝雄 山形大学, 工学部, 教授 (80091875)
板井 悠二 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30010268)
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キーワード | Fluorescent x-ray / Functional imaging / Specific element / Diagnostic radiology / Computed tomography / Synchrotron radiation |
研究概要 |
放射光を利用すると高輝度な単色X線が得られ、且つ、特定の波長のX線を選択し目的とする物質の蛍光X線を高い効率で発生させる事が可能である。さらに、散乱線を激減させる直線偏向性が利用でき、蛍光X線を利用した高感度な新しい型の機能画像診断装置を作製することが可能となる。 本研究では、特定の元素から発生する蛍光X線を高い計数効率でデータ収集可能な検出器系を購入し、コリメータを非常に薄くし(実際にはコリメータ無しに近い状態)、且つ被射体と検出器の間隔を狭くし大量の蛍光X線を検出できる装置を作製する。検出器に到達する蛍光X線量は、被射体と検出器の距離の2乗で増加するため、10倍の高計数効率の検出器を用いると、距離を1/3以下にでき、現在の1/10の非常に短い時間で撮影可能となる。この短時間画像収集により、蛍光X線CTによる生体計測が現実的になると考えられる。 平成10年度は、従来使用していた装置より10倍高い高計数効率検出器を購入し、被射体と検出器の距離を狭める事が可能な蛍光X線計測装置を作製した。また、蛍光X線画像の定量化も不可欠なため、透過、蛍光X線の装置を一体化して作動できるソフトを開発した。さらに、新しい装置で得られるデータを用い、蛍光X線CT画像が定量的に演算できるソフト開発を施行した。 本装置を用い、高エネルギー加速器研究機構の放射光施設BL14Cで、模擬試料と生体試料を用いた新しい蛍光X線CT装置の性能評価を行い、従来の1/2の時間で画像が収集可能となった。しかし、検出器と駆動装置の信号のやり取りに計測時間の4倍以上の時間を有した。現在、透過、蛍光X線の装置を一体化して短時間で作動できるソフトの改良を行い、1プロジェクションの収集時間の短縮化をはかっている。
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