研究課題/領域番号 |
10557087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芝本 雄太 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (20144719)
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研究分担者 |
宮武 伸一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90209916)
池 修 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40252514)
笹井 啓資 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20225858)
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キーワード | 感受性試験 / アポトーシス / 微小核形成試験 |
研究概要 |
細胞分裂阻害微小核形成試験を種々のヒト腫瘍に応用し、各々の腫瘍細胞の分裂細胞分画、潜在的倍加時間と放射線照射後の微小核発生頻度を評価した。今年度は特に原発性肺癌について重点的に検討し、増殖能のデータを臨床経過と比較した。手術時に得た腫瘍片を単離細胞とし、一部に照射後サイトカラシンBを加えて培養した。その後経時的に多核細胞の割合(その最大値が分裂細胞分画)、一個の細胞あたりの平均核数と二核細胞における微小核の頻度を計測した。潜在的倍加時間は核/細砲比が外挿によって2になる培養時間である。71個の腫瘍のうち、分裂細胞分画と潜在的倍加時間は86%、微小核発生頻度は73%において評価可能であった。分裂細胞分画と潜在的倍加時間の中央値は、腺癌において23%、7.7日、扁平上皮癌において26%、8.9日、大細胞癌において27%、6.5日、小細胞癌において30%、7.0日であり、組織型や病期による有意差は認めなかった。2Gy照射後の微小核発生頻度から0Gyの値を引いた値は、腺癌0.15、扁平上皮癌0.17、大細胞癌0.16、小細胞癌0.20であった。照射後の微小核発生頻度は、分裂細胞分画および0Gyの微小核発生頻度と相関があった。非小細胞癌においては、分裂細胞分画が中央値より高いと有意に再発率が高く、また潜在的倍加時間は再発した症例において、再発までの期間と相関していた。微小核発生頻度の臨床的意義は今後の研究で明らかにするべきものであるが、この方法で求めた分裂細胞分画と潜在的倍加時間は肺瘍の増殖能の良い指標であると考えられたまたヒト繊維肉腫由来のHT-1080の2つのクローンを用いた基礎実験を施行た。2つのクローンは照射後の細胞生存率はほぼ同じであったが、DNA量が多いクローンのほうがより多くの微小核を生成した。したがって微小核発生頻度の評価においては、DNA量による補正も考慮に入れることを検討すべきであることが示唆された。
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