研究課題/領域番号 |
10557090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40161913)
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研究分担者 |
山本 晃士 名古屋大学, 医学部, 医員
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / ryudocan / 欠失マウス / focal adhesion / fibronectin |
研究概要 |
細胞膜貫通型ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)であるryudocan(Syndecan-4)を、遺伝子組換え操作を用いて欠失させたryudocan欠失マウスを作成した結果、ホモ体が約1/4に生まれryudocanの欠失が発生ならびに生殖能には大きな異常を及ぼさないことが明らかとなった。これは、ryudocanの欠失が他のHSPG発現等により機能的代償を受けている可能性を示唆するが、今後さらに詳細な表現型解析が必要と思われた。一方、ryudocan欠失マウスの胎児よりryudocan欠損線維芽細胞を単離培養し、そのfocal adhesion形成におけるryudocanのもつ機能を解析した結果、fibronectin上で培養したryudocan欠損線維芽細胞でもfocal adhesionは野生型と同様に形成され、ryudocanがfocal adhesion形成に必須ではないことが判明した。さらに、ryudocan欠損線維芽細胞では内因性fibronectinが野生型と同様にfocal adhesion周囲に局在し、ryudocanが内因性fibronectinの局在にも大きな影響を及ぼさないことが示唆された。しかし、ryudocanは基質に結合した状態のfibronectin・ヘパリン結合ドメインもしくはヘパリン結合フラグメントからのシグナル伝達には必須でない一方、焙養液中の可溶性fibronectinのヘパリン結合フラグメントからのシグナル伝達には必要であることが示唆された。さらに、特異抗体を用いたryudocan測定法開発し、急性心筋梗塞発症患者の血漿中のryudocan濃度を経時的に測定したところ、全例において梗塞発症後2〜3週間目に最高値を示した。この時期は心筋梗塞後の組織修復期であり、Ryudocanが血管新生、線維芽細胞増殖などにより組織修復に関わっていることが示唆された。
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