研究課題/領域番号 |
10557093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | (財)癌研究会 (2000) 自治医科大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
畠 清彦 (財)癌研究会, 癌化学療法センター・臨床部, 副部長 (80192699)
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研究分担者 |
山田 宗夫 森永乳業, 生物科学研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 細胞死 / 内皮細胞由来インターロイキン8 / アミノペプチダーゼ / 腫瘍細胞除去 |
研究概要 |
白血病株細胞HL-60のPMA刺激下の培養上清20Lから、各クロマトグラフィーを用いて3種類の新規アポトーシス誘導因子を精製した。その中で、内皮細胞由来インターロイキン8は、単球由来インターロイキン8に活性がないことから、N末端の5ペプチドのみでもアポトーシス活性があることがわかった。マウスに担癌として白血病細胞移植ヌードマウスでも、細胞死を誘導し、抗腫瘍活性が認められた。悪性リンパ腫由来細胞株でも同様に活性を認めた。これはぺプチドでも同様に活性が認められた。またこの系の細胞死誘導系における耐性機序を検討したところ、N末端のペプチドを切断する酵素のひとつである、アミノペプチダーゼN(CD13)が、重要である事を示した。すなわち急性前骨髄球性白血病株細胞NB4では完全に耐性であった。CD13遺伝子を導入した白血病株細胞は、内皮細胞由来インターロイキン8による細胞死の誘導は耐性となった。またこの酵素の阻害剤であるubenimexを添加すると、この耐性は克服できる事が示された。次に精製した蛋白として、b2-ミクログロブリンがある。2〜5ng/ml以上で、細胞死を誘導し、HLA分子との相互作用とは別の経路の細胞死があることを証明した。さらに3番目の蛋白として、補体ファクターBbフラグメントがある。これはCD11cという補体に対する受容体のひとつを介して細胞死となる経路を見い出した。白血病細胞の細胞死に少なくとも、Fas,TNF系以外に経路がある事を示した。現在ex vivo purgingとして、体外での腫瘍細胞除去への応用に向けて、基礎的検討を加えている。
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