研究課題/領域番号 |
10557095
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
加藤 久雄 国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (80029959)
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研究分担者 |
和田 英夫 三重大学, 医学部, 助手
河野 功 (株)ヤトロン技術本部製品開発部, 係長(研究職)
神窪 勇一 (財)化学及血清療法研究所, 室長
河口 明人 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (70214608)
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キーワード | プロテアーゼインヒビター / 内皮細胞 / 抗血栓 / 動脈硬化 / 測定法 |
研究概要 |
抗血栓性プロテアーゼインヒビターであるTFPIの大きな特徴は血漿中のリポ蛋白質および内皮細胞表面のプロテオグリカンと結合して存在していることにあり、生体内では血管内皮細胞表面に結合して存在し、その抗血栓性機能に関与していると考えられている。本研究は、先に確立したTFPI抗原の測定法に加え、新しい測定法を確立することにより、血管内皮細胞の抗血栓性機能の変化をモニターできる新しい方法を確立することを目的としている。 本年度の成果 (A) TFPI-Xa,測定法の確立とDIC患者への応用 TFPI-Xa複合体に対するモノクローナル抗体を調製し、その性質を解析し、TFPIおよびXaとは反応せず、TFPIのK3領域のネオトープと反応することを明らかにした。このモノクローナルコウタイを用いて、血漿中のTFPI-Xa複合体の免疫測定法を確立した。先に我々はDIC患者の血漿中TFPIレベルが上昇していることを明らかにしたが、今回確立したTFPI-Xa複合体測定法をDIC患者の解析に応用したところ、TFPI-Xa複合体も増加していることが明らかとなった。 (B) 高脂血症患者におけるTFPIの解析 156人の心筋梗塞患者の血漿中のTFPIレベルとリポタンパク質レベルについて229人の健常人と比較しながら解析した。その結果、心筋梗塞患者では血漿中の遊離型TFPIはHDLレベルと逆相関することが明らかとなった。この結果は、心筋梗塞患者における動脈硬化の進展にともなって、内皮細胞がより抗血栓性に変化するためにTFPIを多く産生するようになったことを示すと考えられる。
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