婦人科における悪性腫瘍とGIOTの関連を明らかにするため、卵巣悪性腫瘍におけるGIOTの発現をノーザンブロット解析やRT-PCR、さらには免疫組織化学及びin situhybridizationによって検討した。まずヒトGIOT遺伝子を、ヒト卵巣のcDNAライブラリーからラットGIOTのcDNAをプローブに用いてクローニングし、その構造を決定した。 次にヒトGIOTに対する抗体を作成した。 ヒトGIOTのロイシンリッチ部分のcDNAを酵母発現ベクターに導入し、酵母内でロイシンリッチ部分の蛋白質を発現させ、酵母抽出液から単離精製した。 精製した蛋白質を抗原として家兎を免疫し、ヒトGIOTに対する抗体を得た。 この様にして得られたヒトGIOTのcDNAとヒトGIOTに対する抗体を用いて、卵巣悪性腫瘍におけるGIOTの発現を調べた。 卵巣悪性腫瘍の特徴はその多様性であり、その発生機序も一様ではないと思われるが、腫瘍サンプルを便宜的に上皮性、間質性、胚細胞性に分けてそれぞれについてGIOTの発現の有無を検討した。 ヒトGIOTのcDNAを用いて腫瘍サンプルのノーザンブロット解析を行った。さらに、微量のGIOTの発現を検討するためヒトGIOT遺伝子に特異的なプライマーを合成しRT-PCRでその発現を検討した。
|