研究課題/領域番号 |
10557113
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
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研究分担者 |
米澤 朋子 岡山大学, 医学部, 助手 (30304299)
百田 龍輔 岡山大学, 医学部, 助手 (80263557)
大橋 俊孝 岡山大学, 医学部, 講師 (50194262)
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キーワード | IV型コラーゲン / トランスフェクション / 免疫沈降 / コラーゲン分子 / 超分子会合体 |
研究概要 |
1 コラーゲン三本鎖ヘリックスを形成しているコラーゲン分子の検出 我々は、様々な真核細胞にコラーゲン遺伝子のトランスフェクションは試みて成功してきたが、本研究プロジェクトの目的である挿入遺伝子の翻訳産物が本当に三本鎖ヘリックス構造を呈しているかの検出方法が見つかっていなかった。今回我々は、三本鎖ヘリックス構造を呈しているコラーゲン分子に組み込まれているα5およびα6(IV)鎖を認識することができる特異抗体を作成することが出来た。 ウシ腎糸球体を細菌性コラゲナーゼ消化を行ない、NC1画分を未変性の状態で抽出し、これを抗原にラットリンパ節法を用いてモノクローン抗体を作成した。スクリーンの方法は主に組織染色に因った。得られたB51とB66抗体は、ウエスタンブロットには反応しないが、各々三本鎖ヘリックス構造を保っているコラーゲン分子中のα5(IV)鎖およびα6(IV)鎖を検出反応することができることが分かった。またペプチド抗体H53も三本鎖ヘリックス構造を保ったα5(IV)鎖を検知できることが分かった。 このことにより、α5およびα6(IV)cDNAをトランスフェクションした細胞の培養液および細胞層からのタンパク質画分を未変性のままで、B51もしくはB66抗体を用いた免疫沈降を行ない、沈降産物をSDS-PAGEに流すことによって変性し、ペプチド抗体を用いたウエスタンブロットによって検出するという方法を確立することが出来た。 2 CHO細胞のα6トランスフェクタントが産生するコラーゲン分子 CHOK1細胞はノザンブロットおよびウエスタンブロットによってα5(IV)鎖のみを産生していることを検出した。この細胞の免疫沈降物は、H53で検出すると陽性、H65では陰性であった。これは[α5(IV)]3ホモトリマー分子の存在の可能性を意味している。この細胞にα6(IV)遺伝子を導入したa63細胞を得た。これを用いてH53で免疫沈降し、H53で検出すると陽性、H65で検出すると陽性であった。このことは、α6トランスフェクションによってα5およびα6鎖でコラーゲン三本鎖ヘリックスを形成している可能性を示唆している。
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