研究課題/領域番号 |
10557113
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二宮 善文 岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
|
研究分担者 |
米澤 朋子 岡山大学, 医学部, 助手 (30304299)
百田 龍輔 岡山大学, 医学部, 助手 (80263557)
大橋 俊孝 岡山大学, 医学部, 講師 (50194262)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
キーワード | 基底膜 / コラーゲン / 組織工学 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
私達は、上皮細胞/内皮細胞とマトリックスとの間に存在する基底膜を産生し、細胞とマトリックスとの間に挿入することによって、生体内と同じ構成の人工臓器を作製することを究極の目的とする。本研究では、IV型コラーゲンのα鎖構成分子作製のための基礎研究を行なってきた。 ・平滑筋細胞周囲基底膜分子構成が臓器により異なる。臓器特有機能と相関する可能性がある。 ・COL4A3とCOL4A4遺伝子の上流域の構造と発現制御の問題を、ヒトの遺伝子について解析し、二つの転写産物が二つのプロモーターから発現されていることを明らかにした。 ・ウシ卵巣廬胞周囲の基底膜分子構成が発育段階によって異なってくることを示した。 ・細胞培養系においてα1(IV)鎖とα2(IV)鎖の生合成を調べたところ、特にα2(IV)鎖がProMMP-9と相互作用していることをが明らかになった。 ・正常乳腺上皮細胞と、癌化した上皮細胞下基底膜のIV型コラーゲン分子構成を見ると、正常ではα1/α2とα5/α6分子であるのが、癌化、浸潤度、悪性度によって分布が異なることが分かった。 ・COL4A5遺伝子に変異が認められているイヌAlport症候群の例をを観察すると、mRNAレベルではα5(IV)鎖が減少しているのにα6(IV)鎖は正常と比べ変化がないが、タンパク質レベルでは両α鎖共に欠如している事が分かった。α6鎖産生が別の機序で行なわれ、α5/α6分子を形成している可能性を示していることが分かった。 ・上皮細胞直下基底膜の分子構成が臓器により異なる。臓器特有機能と相関する可能性がある。 ・複数のIV型コラーゲンのNC1ドメインには、血管新生を抑制する活性があり、腫瘍増生を抑えることを初めて示した。 ・LMX1B遺伝子の変異で生じるNail patella症候群では腎糸球体基底膜に異常が起こるが、Lmxlb(-/-)マウスでは腎糸球体においてα3(IV)鎖とα4(IV)鎖が減少していることを突き止めた。さらにこの転写因子であるLMX1BがマウスとヒトのCOL4A4遺伝子の第一イントロンのエンハンサー様配列に結合するだけでなく、発現を上昇させることを明らかにした。
|