研究課題/領域番号 |
10557114
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
鶴岡 秀一 自治医科大学, 医学部, 助手 (50285798)
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研究分担者 |
浅野 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (00050500)
杉本 孝一 自治医科大学, 医学部, 講師 (90244491)
藤村 昭夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (90156901)
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 講師 (40190855)
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キーワード | ハイブリット型腎臓 / ジゴキシン中毒 / 血液浄化法 |
研究概要 |
ハイブリット型人工腎臓の応用を目指して、今年度は以下のことを行った。 (1)大動物(イヌ)のジゴキシン中毒モデルに対する治療 MDR遺伝子を高発現させたIn vitro実験用小型ハイブリッド腎臓を10個直列に接続したものを作成し、これを昨年度確立したイヌ亜急性ジゴキシン中毒モデルに装着し治療効果を検討した。3時間の治療により血清ジゴキシン濃度は中毒域から治療域へ低下(約3→1ng/ml)へと低下し、中毒症状である食欲低下や不整脈も軽減した。また、このときの白血球減少、血小板減少といった有害反応も軽微であり、安全性の面でも問題なかった。また、血清顆粒球エラスターゼ濃度を指標とした生体適合性も、有効なものであった。さらに、治療中止後の薬物濃度上昇も軽度であった。一方、MDRを導入していない細胞を用いた場合には血清薬物濃度はほとんど低下しなかった。現在は市販の血液透析用ホロファイバーを用いて大型ハイブリッド型人工腎臓を作成し、検討を行っており、同様の効果を確認している。ホロファイバー以外にもポンプなど大部分の機器が、臨床の血液透析に使用するもので代用可能であり、これにより安全で確実な治療効果を確認できたとともに、かなりのコスト削減が可能となった。 (2)ハイブリット型人工腎臓を臨床で用いる上での論理面での検討 ヒト由来の細胞を用いて、同様のMDR高発現細胞を作成した。これを用いて小型ハイブリット型人工腎臓を作成し、健常人全血を用いたIn vitroでの生体適合性の検討を行った。これによるとヒト由来細胞では更に血清顆粒球エラスターゼ濃度上昇も少なく、より安全な治療が行いうると考えられた。
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