研究課題/領域番号 |
10557117
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20192106)
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研究分担者 |
寺澤 孝幸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10292319)
佐山 淳造 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292322)
宮崎 修吉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50282075)
伊藤 恒敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004746)
田村 真理 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20124604)
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キーワード | 生理食塩水 / 腹腔洗浄 / CAPD / サイトカイン / IL-6 |
研究概要 |
本研究は腹腔洗浄について実験的検討を行い、CAPDに準じた方法にてラットの腹腔内に腹腔洗浄液を投与し検討した。ウサギ壁側腹膜中皮細胞のviability,ヒト末梢血単核球の貪食能・活性酸素産生能、サイトカイン産生能で評価から、洗浄液は中性に近い値において細胞機能がもっとも維持されるNa:140mM K:4mM C1:103mMMg:0.5mMCa:1mMLactate:44mM Glucose:5g/L、PH:7.4 浸透圧:305mOsm/kgの洗浄液を作成した。 腹腔洗浄を行うと生理食塩水では腹腔洗浄液に対して有意に洗浄液の体内へ移動が多く、尿量が増加し、腹水中の浸透圧、電解質濃度変動にも有意差があった。これに対し洗浄液ではこれらの変化が軽微であり、PEG4000の静脈投与による色素透過性試験で腹腔壁細胞への影響を見ると生食では色素の漏出が増加しており、生理食塩水による腹膜損傷が示唆され、試作した洗浄液は損傷が少ないと考えられた。また、炎症性サイトカイン(IL-6)産生は有意に洗浄液のほうが少なかったが、出血モデルや腹膜炎モデルでは有意ではなかった。は今回考案した腹腔洗浄液は、腹膜・臓器損傷が少ないことにより、術後癒着の予防の効果も期待できると思われる。
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