研究課題/領域番号 |
10557118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福島 浩平 東北大学, 医学部, 助手 (20271900)
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研究分担者 |
佐々木 一幸 日清製粉創薬研究所, 研究員
笹野 公伸 東北大学, 医学部, 教授 (50187142)
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巖 東北大学, 医学部, 助教授 (60125557)
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キーワード | 短腸症候群 / 大腸全摘術 / 分子生物学 / 上皮細胞 / 細胞分化 / 増殖 |
研究概要 |
短腸症候群や大腸全摘術などの腸管大量切除による水分、電解質、栄養素の吸収障害を改善する手段として、粘膜増殖による吸収面積の拡大を人為的に達成することを最終目的として研究を開始した。 まず、in vitroにおいて、絡酸により水分便電解質吸収に関与するミネラルコルチコイド受容体が誘導されることが明らかとなった。すなわち、上皮細胞の増殖や分化、さらにはこれと連動する機能的物質の発現が薬剤の外因性投与により十分修飾可能であることが明らかとなった。 次に、回腸末端を空腸に間置するIleo-jejunal transposition(IJT)モデルを作成し、粘膜増殖を来す遺伝子産物の同定を試みるための基礎的検討を開始した。上皮細胞を分離し、RNAを抽出、Differentialdisplayを行うという遺伝子スクリーニングの実現可能性と再現性の検証を行った。その結果、マウスの小腸からは1匹平均210μg、大腸がらは30μgであり、RNAの収量としては十分であるが、消化管吻合の手技的問題から、合併症が多くIJTモデルには適さないものと考えられた。Differentialdisplayについて、まったく別個に3回のdisplayを行った結果、きわめて再現性が高いと判断された。さらに、displayで見られるバンドの濃淡はノーザンブロットにも反映され、ある程度定量性も有しているものと考えられた。 以上の結果より、ラットにIJTモデルを作成し形態を中心に基礎的検討を行った。その結果、IJT群では、術後10、20日目でSham群に比較して粘膜増殖を認めproximo-distal gradientを形成した。さらに、IJT群では術後5日目に移植した回腸で、10、20日目には各部でcryptcell proliferationrateの上昇を認めた。現在、サンプルを集積し、遺伝子スクリーニングを開始している。
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