研究課題/領域番号 |
10557127
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 兵庫医科大学 (1999) 大阪大学 (1998) |
研究代表者 |
有田 憲生 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80159508)
|
研究分担者 |
中野 敦久 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70258151)
松本 強 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00181777)
蒲 恵蔵 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70104255)
時野 隆至 札幌医科大学, がん研, 教授 (40202197)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | BAI1 / p53 / glioma / glioblastoma / angiogenesis / Tet-On / gene therapy |
研究概要 |
1.脳腫瘍臨床標本を用いた研究 グリオーマ臨床標本を用いて、(1)BAI1遺伝子発現量、(2)p53遺伝子変異、(3)BAI1遺伝子発現とp53遺伝子変異との相関、(4)BAI1遺伝子発現と腫瘍血管密度との相関、を検討した。その結果、(1)半定量的RT-PCR法で正常脳と発現量と比較すると、グリオーマの約70%でBAI1発現量が低下していた。発現量の低下は、悪性度が高いほど高頻度で見られた。(2)PCR-SSCP法でp53変異を検索した。その結果グリオーマの約30%で、p53タンパクのDNA結合能に影響すると考えられる変異を認めた。(3)BAI1遺伝子発現量低下とp53遺伝子変異の間には、有意の相関は認めなかった。 (4)グリオーマ組織を抗CD34抗体で免疫染色し、腫瘍内の血管を定量評価した。BAI1遺伝子発現正常例と比較すると、BAI1発現低下例で腫瘍血管数は増加していた。以上の結果より、悪性グリオーマの少なくとも一部では、p53遺伝子変異によるp53タンパクの転写活性能の喪失以外の機序によるBAI1発現低下が生じていると考えられる。BAI1発現低下腫瘍では、BAI1遺伝子導入によるBAI1タンパクの強制発現が、血管新生を抑制すると思われる。 2.グリオーマ培養細胞株におけるBAI1遺伝子の機能解析 BAI1遺伝子の強制発現と血管新生抑制、腫瘍増殖能、分化などとの関係をみる目的で、テトラサイクリン存在下で導入遺伝子を発現させることのできるTet-On system(Clonetech)を用いて、BAI1遺伝子導入グリオーマ細胞株を作成中である。T98G、U87MG細胞を用い、現在株の樹立の最終段階を進めている。株の確立次第、マウス移植モデルを用いて、血管新生抑制などの解析を予定している。
|