ケタミン筋注およびネンブタール静注による麻酔下に下腹部生中切開で膀胱を露出し、経尿道的に膀胱内圧モニタリング用カテーテルを膀胱内に留置した後、電気刺激を開始した。ウサギ膀胱は膀胱壁が薄く、刺激電極で容易に穿孔し、膀胱内圧測定が困難であり実験の中断を余儀なくされた。石英ファイバースコープによる経尿道的膀胱粘膜刺激をウサギを用いて同様の麻酔下に電気刺激を試みようとしたが、ウサギ尿道には内視鏡の径が太く挿入が困難であったことと、ウサギの尿がもともと白色に混濁しているため、例え膀胱洗浄を行っても長時間の観察に耐えられないことが判明し断念した。ブタを用いた腹腔鏡下膀胱排尿筋直接電気刺激法を行った。全身麻酔下に腹腔鏡操作により膀胱側壁の2時、10時の排尿筋に刺激電極を刺入した後、石英ファイバースコープを経尿道的に膀胱内へ挿入した。操作用チャンネルより約100mlの生理食塩水を注入して刺激電極が膀胱壁を穿孔していないことを確認してファイバースコープを抜去した。経尿道的にカテーテルを挿入して膀胱内圧測定を開始した。この時点で膀胱排尿筋収縮が起きていないことを確認して電気刺激を開始した。排尿反射誘発のための至適条件決定のため、刺激頻度、刺激pulse時間、刺激電流、刺激持続時間をパラメーターとして各種条件下で電気刺激実験を行った。排尿反射誘導の至適条件は刺激頻度20Hz、刺激pulse時間2.5sec、刺激電流70mA、刺激持続時間15secであった。
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