研究概要 |
本研究は微粒子打ち込み法を用い微粒子に制癌剤や遺伝子DNAを付着させ打ち込むことでヒトの新しいタイプの局所的化学療法や遺伝子治療を開発しそのための基礎的な検討と実用化への検討を行うことを目的とした。 本年度の成果として、 a. 金の微粒子に遺伝子DNAとしてルシフェラーゼ遺伝子DNAを付着させ、微粒子打ち込み試作機にてPC-3,T24などの培養ひと癌細胞に打ち込み細胞内での遺伝子発現の程度や効果の持続をルシフェラーゼ活性として測定した。その結果遺伝子は細胞内に充分に導入され、この方法により遺伝子発現をさせれることがわかった。 b. ヌードマウスにPC-3,細胞を植え込み形成された腫瘍に遺伝子DNAとして正常型P53遺伝子を同様な方法にて導入を試みた。その結果、P53遺伝子の発現と腫瘍の若干の増殖の抑制が認められた。今後この遺伝子の導入効率を上げていく予定である。 c. 生体に反応が少なく、効率良く導入出来て、しかもユニークな効果が期待できる金属微粒子として金の表面にTiO2を付着させた微粒子を作成した。現在この化学的特性や細胞内における安定性を検討している。
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