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1998 年度 実績報告書

薬剤耐性卵巣癌に対するGn-RHアゴニスト治療についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 10557147
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

大道 正英  大阪大学, 医学部, 助手 (10283764)

研究分担者 池上 博雅  大阪大学, 医学部, 講師 (10184409)
倉智 博久  大阪大学, 医学部, 助教授 (40153366)
キーワードMAP kinase / GnRH / GnRHアゴニスト / 卵巣癌 / 増殖抑制 / GnRH受容体 / MEK inhibitor / SOS
研究概要

GnRHがヒト卵巣癌の細胞株においてMAP kinasepathwayを刺激するか及びその生理的意義について検討した。
1) ヒト卵巣癌の細胞株Caov-3細胞において、GnRH受容体の発現をRT-PCR法にて確認した。
2) GnRH及びGrRHアゴニストがCaov-3細胞においてMAP kinaseを刺激するかどうかを、MAPkinase抗体での免疫沈降後MAP kinaseの基質であるMyelin basic proteinへの^<32>Pの取り込みより検封した。GnRHアゴニストは、GnRHよりも強くMAP kinaseを刺激した。
3) GnRH及びGnRHアゴニストがMAP kinaseの上流に位置するkinaseをも活性化するかどうかをras活性化因子であるSOSに着目した。dominant negative SOS(ras活性化因子部分を欠如したSOS)の遺伝子をCaov-3細胞に分子生物学的手法を用いて導入するとCNRII及びGnRIIアゴニストのMAP kinase刺激を抑制した。この事よりSOSがMAP kinaseの上流に位置しているのを確かめた。
4) 細胞増殖はGnRHアゴニスト投与24時間から約20%に有意に抑制され、その効果は4日間持続する事をMTSを用いた細胞増殖試験により確かめた。
5) MAP kinase pathwayの特異的な阻害剤であるMAP kinase(MEK)inhibitorはGnRHアゴニストによる増殖抑制効果を解除した。
この様にGnRH及びGnRHアゴニストがヒト卵巣癌の細胞株において増殖抑制効果を示し、そのメカニズムにMAP kinasepathwayが関与している事が示唆された。今後は、卵巣癌の予後を改善するためにそのkey drugであるシスプラチンの耐性化機構を解明していく予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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