研究課題/領域番号 |
10557157
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (90171454)
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研究分担者 |
宮田 暉夫 株式会社, 高研研究開発本部, (研究職)本部長
引地 尚子 東京大学, 保健管理センター, 講師 (50292876)
米原 啓之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00251299)
須佐美 隆史 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80179184)
波利井 清紀 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (50111539)
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キーワード | 骨トランスポート法 / 生体適合システム / 関節形成術 |
研究概要 |
緒言:本年度われわれは、骨延長法の1つである骨トランスポート法を用いて新たな顎関節形成術の動物実験モデルを作成し、形態学的および組織学的な検討を加えた。42羽の白色家兎を用い、顎関節部を除去した後に再度関節機能を有する顎関節を再生させるモデルを開発した。 方法:家兎の下顎骨上行枝に2cmの水平骨切り術を行い、それより上方の顎関節部分を完全に除去した。そして下方の上行枝および下顎体部にかけL字型骨切り術をさらに施行し、トランスポートディスクとした。このディスクに開発した口腔内埋入型骨延長装置を装着した。その後、関節窩に向けて12時間毎に0.45mmの割合で骨トランスポートを行った。 結果・考察 形態学的検討:同方法により可動性を有し、元の顎関節の形態に類似した新顎関節が形成された。延長部には軟X線上、延長終了後8週目以降に周囲と同様に骨陰影が認められた。また、移動した骨ディスクの先端には延長終了後2週目より新生骨の不規則な骨陰影が認められた。8週目以降ではこの新生骨は丸みを帯び、元の下顎頭の形態に類似するような形態を呈していた。顎関節部の切除のみで顎関節形成術を施行しなかったコントロール群では、開口障害と下顎の偏位を認めたが、実験群ではこれらは軽度であった。これらより、今回用いた方法により、可動性を有する顎関節の再建が期待されると示唆された。 組織学的検討:現在、延長部およびトランスポートディスク先端部で関節面を形成する部分の組織標本を作製し、検討中である。
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