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1998 年度 実績報告書

咬合機能が頭部姿勢制御および自律神経活動へ及ぼす影響についての生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10557163
研究機関新潟大学

研究代表者

河野 正司  新潟大学, 歯学部, 教授 (50014098)

研究分担者 真貝 富夫  新潟大学, 歯学部, 助教授 (90018424)
山田 好秋  新潟大学, 歯学部, 教授 (80115089)
小林 博  新潟大学, 歯学部, 助教授 (00225533)
キーワード頚筋活動 / 頭部運動 / 咀嚼 / 副腎交感神経 / 歯根膜機械受容器 / 閉口筋筋紡錘 / ウサギ / ラット
研究概要

はじめに,頭部姿勢制御のメカニズムの解明を目的として,自由行動下のウサギを用いた実験系により,咀嚼機能時の下顎運動と頭部運動,ならびに咀嚼筋群と頸部筋群の活動のこの四者における機能的関連性を解析した.その結果,咀嚼時に頭部加速度は周期的な変化を示し,その周期は下顎運動の周期とほぼ一致した.頭部の運動は,開口時には上方へ(後屈),閉口時には下方へ(前屈)動くという下顎運動と相反する動態を示した.頸筋活動は,頭部の後屈筋である頭半棘筋と頭板状筋の活動は,持続的で周期性はみられなかった.したがって,これらの後屈筋は,能動的に頭部運動を駆動してはいないと考えられる.一方,頭部の前屈筋である胸骨乳突筋は咀嚼時に二峰性の活動を示し,各々の活動ピークは閉口後期と開口後期に見られた.胸骨乳突筋の閉口時の活動は,咀嚼時における能動的な頭部運動に関与していると考えられる.
続いて,咬合機能時の感覚情報と自律機能の関連性の解明を目的として,麻酔ラットを用いた実験系により,歯根膜および閉口筋筋紡錘からの感覚情報が交感神経副腎枝の活動電位に及ぼす影響を調べた.周期性顎運動を大脳皮質電気刺激により誘発し,木片を咬合させることによって,副腎交感神経活動に増加がみられた.しかし,上顎神経および下歯槽神経を切断した動物では,木片を咬合させても副腎交感神経活動の増加はみられなかった.よって,木片咬合時の神経活動の増加には,歯根膜機械受容器からの感覚情報が重要であると言える.一方,リズミカルな下顎運動中に下顎を牽引しても副腎交感神経活動に対し明らかな変化が観察されなかった.すなわち筋紡錘感覚情報は副腎交感神経活動に影響しないことが示された.以上より,実際の咀嚼時において,歯根膜感覚情報は副腎髄質機能を調節してると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 五十嵐 直子: "咀嚼運動時に観察されるウサギ頚筋の活動" 日本顎口腔機能学会雑誌. 4. 191-196 (1998)

  • [文献書誌] Ikeda Keisuke: "Facilitation of adrenal sympathetic efferent nerve activity induced by mechanical stimulation of teeth in the rat" Brain Research. 802. 289-293 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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