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1999 年度 実績報告書

新規軟骨由来血管新生因子(CTGF)に対する阻害剤の開発と血管新生病治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10557165
研究機関岡山大学

研究代表者

滝川 正春  岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)

研究分担者 井上 美穂  岡山大学, 歯学部, 教務員 (20271059)
服部 高子  岡山大学, 歯学部, 助手 (00228488)
中西 徹  岡山大学, 歯学部, 助教授 (30243463)
玉谷 卓也  日本たばこ産業KK医薬総合研究所, 医薬基礎研究所, 主席研究員
キーワード血管新生 / 結合組織成長因子 / CTGF / 抗CTGF抗体 / 転移 / 慢性関節リウマチ / 心筋梗塞
研究概要

1)乳癌細胞株(MDA231)、線維肉腫細胞株(HT1080)および扁平上皮癌細胞株(A431)をヌードマウスに移植するとMDA231では著明な血管新生を伴う腫瘍が、HT1080では中等度の血管新生を伴う腫瘍、A431ではあまり血管新生の認められない腫瘍が形成された。これらの腫瘍を抗CTGF抗体で免疫染色すると、腫瘍細胞の染色性はMDA231で強染され、HT1080では中等度の染色性が認められ、A431ではほとんど染色されなかった。
2)上記腫瘍細胞の培養系およびヌードマウス移植腫瘍でのCTGF mRNAでの発現レベルを調べると共にMDA231で最も高く、次いでHT1080で高く、A431では低かった。
3)上記腫瘍細胞の培養系でのCTGF産生能をELISA系で測定すると、MDA231、HT1080、A431の順でCTGFを産生していることが判明した。一方、従来から血管新生因子として知られているVEGFやbFGFの産生能とこれらの腫瘍細胞の血管新生活性との間に相関はみられなかった。
4)鶏卵漿尿膜に上記の乳癌細胞を移植すると著明な血管新生がみられ、この腫瘍による血管新生は抗CTGF抗体を同時投与することにより抑制された。
以上の結果、CTGFが新規の腫瘍血管新生因子であることが明らかになった。
5)慢性関節リウマチの際に血管新生がみられることは周知の事実であるが、その際、関節液中にCTGFが出現することをELISA法を用いて明らかにした。
6)実験的心筋梗塞の修復期にCTGF遺伝子の発現が亢進することを見出した。
7)ヒト抗体産生トランスジェニックマウスを用いてヒト型抗CTGF抗体を作製した。
8)血管新生能が高く転移能の高い上記乳癌細胞のヌードマウス骨転移モデルで上記のヒト型抗CTGF抗体が骨転移を阻害することを明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kubota, S.: "Involvement of cis-acting repressive element (s) in the 3'-untranslated region of human connective tissue growth factor gene"FEBS Lett.. 450. 84-88 (1999)

  • [文献書誌] Kondo, Y.: "Immunohistochemical localization of connective tissue growth factor in the rat central"Brain Res.. 834. 146-151 (1999)

  • [文献書誌] Shimo, T.: "Connective tissue growth factor induces the proliferation, migration and tube formation of vascular endothelial cells in vitro and angiogenesis in vivo"J. Biochem.. 126. 137-145 (1999)

  • [文献書誌] Nakanishi, T.: "Effects of CTGF/Hcs24, a product of a hypertrophic chondrocyte-specific gene, on the proliferation and differentiation of chondrocytes in culture"Endocrinology. 141. 264-273 (2000)

  • [文献書誌] 服部高子: "VEGF"関節外科. 17. 904-905 (1998)

  • [文献書誌] 中西 徹: "結合組織成長因子CTGF/Hcs24の生理機能"生化学. 71. 429-432 (1999)

  • [文献書誌] Takigawa, M.: "Tissue Engineering for Therapeutic Use"Elsevier (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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