研究課題/領域番号 |
10557167
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
塗々木 和男 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90139577)
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研究分担者 |
庄司 洋史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90277913)
小林 裕 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (50130919)
田村 謙二 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20163686)
李 昌一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60220795)
河野 雅弘 日本電子株式会社, 分析機器技術本部・ESR開発グループ, グループ長
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キーワード | 活性酸素ラジカル / 電子磁気共鳴(ESR) / スピンプローブ / 頭部イメージング / in vivo ESR / 血液-脳関門 |
研究概要 |
当教室で開発した3次元ESR-CT画像化装置は,ラジカルスピンプローブ(MC-PROXYL)を投与したマウス頭部およびラット摘出脳での2次元投影ESR測定および3次元ESR-CT画像化をすでに可能にしている。MC-PROXYL投与ラットの摘出脳からESRシグナルが検出でき、脳内スピンプローブ分布の3次元ESR-CT画像化が可能で、また,総頚動脈からのMC-PROXYL投与も画像化が可能であることを確認した。しかし,得られる画像の解像度が不十分であるため脳細部のスピンプローブ分布状況を詳細に評価するにはやや難がある。また口腔付近のイメージングについても検討した結果、現時点での解像度では検証は困難であることが判明した。 MC-PROXYLは酸化還元反応の受けやすい化合物であることを利用して、脳内に取り込まれたMC-PROXYL分布状況の時間推移から脳機能を評価できる可能性を示唆した。機能性充血は働く組織に血液循環量を増やす局所循環調節機構であり、脳は他の臓器に比べとくにこの機構が発達している器官と考えられている。その結果、脳神経活動の活発なエリアは酸素供給量が盛んとなり酸素消費量も増加する。その一方で酸化ストレスに陥り易くなり、生体内酸化還元反応が活発になる。このような観点から、脳機能発現と脳内MC-PROXYL分布の消失状況から間接的に脳機能をモニターすることは可能であろう。しかし脳内MC-PROXYL分布の消失状況の位置情報の詳細な解析おいても,画像解像度の向上は避けて通れない問題である。磁場掃引速度および画像処理時間の高速化に向けた本システムのさらなる改良・開発が必要である。
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