研究概要 |
細菌による汚染を指標として、エアータービンハンドピース,マイクロモーターハンドピース及びスリーウェイシリンジについて在宅診療用ユニットにおける汚染の波及状況を調べるとともに,在宅診療用ユニットの給水にソフト酸化水を用いることによる汚染防止の有効性を検討した。ハンドピース汚染モデル実験系を用いて,エアータービンハンドピース,マイクロモーターハンドピース及びスリーウェイシリンジを汚染させ,ハンドピースや在宅診療用ユニット内部への汚染波及の状況を調べた。 汚染後,再作動時にはエアータービンハンドピース,マイクロモーターハンドピース及びスリーウェイシリンジから細菌の放出が認められた。しかし,給水タンク中には細菌の侵入は認められなかった。エアータービンの給気管と排気管に生理食塩水を通過させて調べると,給気管には少量,排気管には多量の細菌の侵入は認められた。エアータービンの給気管では少量の細菌が認められたが,マイクロモーターの給水管では細菌は認められなかった。ユニットの給水にソフト酸化水を用いると,エアータービンハンドピースとその給水管および給気管,マイクロモーターハンドピース及びスリーウェイシリンジには細菌は認められなかったが,エアータービンの排気管には細菌が認められた。以上の結果よりユニットの給水にソフト酸化水を用いると,汚染防止に効果があると考えられる。給水管の材質は塩素による腐食の可能性があるといわれているが,使用後直ちに蒸留水で洗浄していると短期使用では著明な変化は認められなかった。 今後の課題としてユニット給水管のウレタンチューブのフッ素コーティングや真鍮のブロックからポリ塩化ビニルのブロックへの交換等のユニットの給水管に耐塩素腐蝕性を付与することを計画している。
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