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1999 年度 実績報告書

抗菌性象牙質接着システムの臨床応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10557177
研究機関大阪大学

研究代表者

今里 聡  大阪大学, 歯学部, 助教授 (80243244)

研究分担者 樽味 寿  大阪大学, 歯学部, 助手 (00294108)
野杁 由一郎  大阪大学, 歯学部, 助手 (50218286)
恵比寿 繁之  大阪大学, 歯学部, 教授 (50116000)
山内 淳一  株式会社 クラレメディカル事業本部, 学術主管
キーワード接着システム / 抗菌性 / 歯科用修復材料 / 象牙質プライマー / 歯髄反応 / 抗菌効果 / Streptococcus mutans / in vivo
研究概要

平成11年度においては、提出した研究実施計画に基づき,抗菌性モノマーMDPBを5%含有する試作プライマーのin vivo における抗菌効果を以下のような方法で評価検討した。
1) 病理組織学評価 : ビーグル成犬の上下顎切歯に歯髄に接近するV級窩洞を形成し,窩洞を1分間リン酸処理した後に、約4.0×10^5 CFUの Streptococcus mutans MT8148菌液を塗布して浸透させた。その後,コントロールプライマーまたは試作プライマーを用いてのコンポジットレジン充填 (それぞれC群,M群),および、歯面処理なしでストッピングとグラスアイオノマーセメントによる封鎖 (P群) の三種の処理を行った。1週間後に犬を屠殺し,採取した被験歯より補助金にて購入した自動包埋装置を用いて病理切片を作製してHE染色を施した結果,P群では明らかな充血や炎症性細胞浸潤などの反応が認められた。一方,P群よりも炎症反応は弱いものの,C群でも充血と炎症性細胞浸潤が認められたのに対し,M群では炎症症状はほとんど観察されなかった。
2) 細菌回収実験 : ビーグル成犬の上下顎後臼歯の2×4×1.5mmの窩洞を形成し,実験1と同様にしてリン酸処理・菌液塗布を行った後,コントロールプライマーまたはMDPB含有プライマーを30秒間作用させた。その後,ラウンドバーにて窩底部象牙質を歯髄腔に至るまで切削してPBS中に回収し,生菌数の計測を行った。その結果,コントロールプライマー塗布群では,全くプライマー処理を施さずに回収した場合よりもやや少ない量の細菌が回収されたにすぎなかったが,MDPBプライマー塗布群では細菌はほとんど回収されなかった。
以上のように、本年度の研究より,抗菌性モノマーMDPBを配合したプライマーは, in vivo においても窩底部象牙質内に存在する細菌を死滅・不活化でき,臨床的にも,残存細菌によって惹起される歯髄の炎症を軽減できる可能性のあることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Imazato S.,et al.: "Water sorption and colour stability of composites containing the antibacterial monomer MDPB"Journal of Dentistry. 27(4). 279-283 (1999)

  • [文献書誌] Imazato S.,et al.: "Bactericidal activity and cytotoxicity of antibacterial monomer MDPB"Biometerials. 20(9). 899-903 (1999)

  • [文献書誌] Imazato S.,et al.: "Cytotoxic effects of composite restorations employing self-etching primers or experimental antibacterial primers"Journal of Dentistry. 28(1). 61-67 (2000)

  • [文献書誌] Imazato S.,et al.: "Bactericidal effect of dentin primer containing antibacterial monomer methacryloyloxydodecyl-pyridinium bromide (MDPB) against bacteria in human carious dentin"Journal of Oral Rehabilitation. (発表予定). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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