研究課題/領域番号 |
10557180
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
|
研究分担者 |
岩井 博久 古河電気工業株式会社在, メタル総合研究所, 研究員
池島 厳 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50222865)
小澤 正明 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00204199)
平野 進 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (00089400)
|
キーワード | 形状記憶合金板 / NiTi合金 / 印象用トレー |
研究概要 |
孤立歯症例における作業用模型や研究用模型の作製は、印象材から模型を撤去する際に石膏が破損しやすい。この対策として、石膏模型が印象材から簡単に撤去できればこのような事故を防げると考え、古河電気工業株式会社との共同研究により形状記憶合金を応用した印象用トレーを試作した。 実験としては、NiTi形状記憶合金板を厚さ0.7mm、長さ34mm、幅25mm、深さ15mmに調整した試作印象用トレーを用いた。トレーの幅をあらかじめ指圧にて20mmに調整し、復元力および印象材からの石膏模型の引抜き強さの測定をオートグラフ(AG500-B、島津)にて行った。 トレー底部の内外面に装着したシリコンラバーヒーター(Watlow、Controller SSR-SP、坂口電熱)を加熱し、インテリジェントレコーダー(INR-9041、東亜電波工業)にて測定したところ、加熱温度約60℃でほぼ記憶した位置に回復し、復元力は約4.5kgfであった。また、通法に従い人工歯顎模型(D15FE-500A、ニッシン)臼歯部の印象、石膏注入を行った石膏模型の引抜き強さを測定したところ、既製トレーおよび加熱をしない試作トレーの約2.4kgf対し、加熱した試作トレーは約1.6kgfであり引抜き強さの減少が認められた。 従って、従来のトレーに比較した場合、石膏模型の引抜き強さで約35%の減少が得られたことから、石膏模型撤去時の模型の破損を減少できると考えられる。現在、赤外放射温度計(IT-02、キーエンス)を使用して適正な加熱温度を検討中である。
|