研究課題/領域番号 |
10557183
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉澤 佳純 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10124603)
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研究分担者 |
菊池 雅彦 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60195211)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学部, 教授 (30178644)
渡辺 誠 東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)
吉川 典之 株式会社 ジーシー, 機械事業部, 部長
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キーワード | 車椅子 / 歯科用ユニット / 昇降機構 / チルト機構 / 安頭台 / 高齢者 |
研究概要 |
近年、高齢者の増加と車椅子の普及によって、車椅子に乗った患者の歯科医院への来院が多くなってきている。しかし、患者は自力で車椅子から移動できないこと、また、車椅子からの移動は看護婦や歯科衛生士の重労働になっていること、さらには、移動中に事故を防ぐ意味でも、車椅子に乗ったまま歯科治療を行うことが望まれる。 本研究の目的は、車椅子に乗ったまま、患者の歯科治療ができる歯科用ユニットの開発にあり、平成10年度から12年度までの3年間で完成をめざしている。平成10年度は、まず片持ち梁の原理を応用した昇降機構を開発した。今年度(平成11年度)は、車椅子患者用のユニットと健常者用ユニットを一体化し、1台のユニットに組み込むことが研究計画である。そのため、設計の基本は、健常者の治療の場合には、通常の歯科用ユニットとして稼動し、車椅子の患者の治療の場合には、健常者用のチェアーを外して、車椅子患者用チェアーに交換する方式とした。完成した歯科用ユニットの具体的機構を以下に掲げる。 1.車椅子患者用チェアーと健常者用チェアーを別々に製作し、同一のジョイント部を設けて着脱することによって、車椅子患者用チェアーと健常者用チェアーの一体化を図った。さらに、着脱後、チェアーはそれぞれ専用のカートで、簡単に移動および保管できるようにした。 2.ジョイント部は、歯科用アタッチメントを大型にした形態を持ち、メール部を車椅子患者用チェアーおよび健常者用チェアーに、フィメール部を昇降機に設置した。 3.車椅子患者用チェアーにチルト(傾斜)機構を設け、その範囲は最大45度とした。この機構により、術者(歯科医師および歯科衛生士等)はホームポジションがとれるようにした。 4.車椅子患者用チェアーは、車椅子の底部にあるベースパイプを把持する機構からなり、市販されている車椅子のほとんどの機種に対応できるようにした。 次年度(平成12年度)は最終年度にあたり、ドクターユニット部、無影灯、ウォーターユニット部(スピットン等)を歯科用ユニットに組み込み、車椅子患者用の歯科用ユニットを完成させる。
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