今年度は口肛粘膜より採取したヒト正常粘膜角化細胞の培養システムの確立を行った。用いた組織は、ド顎智南抜歯の際に余剰となったヒト正常口腔粘膜を患者の同意の元に採取し細胞を単離を行った。摘出された粘膜片を抗菌剤にて洗浄後、10% fetal bovine serumおよび抗菌剤を添加したDulbecco′s modified Eagle′s mediumを溶解した溶液中で4℃、23時間処理したのち上皮層を粘膜固有層から剥離し細切した。さらにtrypsinを不活性化後角化細胞を単離した。得られた角化細胞を35mm PRIMARIA cell culture dish(Beeton Dickinson)に播種し培養を開始した。培養約10日後、シャーレ全面を覆った角化細胞を回収し、継代あるいは凍結保存した。来年度は、当科にて検出されたp53癌抑制遺伝子変異を組み込んだアデノウィルスベクターを構築し、正常粘膜角化細胞への導入を予定している。引き続き、導入後に特異的に発現が誘導された遺伝子の検索をmRNAサブトラクション法を用いて検索する予定である、
|