研究概要 |
前年度は,担体としてアテロコラーゲンを用いてリコンビナントBMPならびにFGFをラット頭蓋部(骨膜下ならびに切除した骨膜内)に移植し,骨新生について検索した.その結果,両者間に骨新生能について明かな違いが見られなかった.また,遊離頭蓋骨骨膜でBMPを包み,これをラット皮下および腎被膜下に移植したが,BMP単独の移植と比較して骨新生について明かな差は認められなかった. 今年度は臨床応用を踏まえ,ラット伏在動静脈を血管柄とする脛骨骨膜弁を挙上し,これを翻転し,腹部皮下に移植し骨新生について検討した.骨膜弁をそのまま移植したものより骨膜弁をチューブ状にして移植したものの方がより多くの骨形成が認められた.また,骨膜を削ぎ取り対側の皮下に移植したが,骨膜の存在しない筋皮弁,および遊離骨膜では骨新生は認められなかった.また,この系で,5週のラットと8か月のラットで比較したが,前者の方が骨新生は著明で,後者においては骨新生が少なく,また,感染を認めるものも認められた.今後は,骨膜内に担体としてアテロコラーゲンを用いたリコンビナントBMPならびにFGFなどを移植し,骨膜単独のものと骨新生について比較検討する.
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