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1998 年度 実績報告書

HLA領域遺伝子を用いた先天異常患者の顎顔面成長能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10557195
研究機関東京大学

研究代表者

須佐美 隆史  東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80179184)

研究分担者 徳永 勝士  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
高戸 毅  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
キーワード口唇・口蓋裂 / HLA / 遺伝子多型解析
研究概要

当病院口腔外科を受診し、形成術を施行した口唇・口蓋裂患者46例(男性23例、女性23例)に対し、患者本人あるいはその家族からインフォームド・コンセントを得たのち採取した末梢血からゲノムDNAを抽出した。抽出したDNAからPCR法によりHLA領域を増幅し、HLA-B.HLA-DRB1およびHLA-DPB1を塩基配列レベルでタイピングし、それぞれのローカスにおいて遺伝子多型の陽性率を健常人集団(116人)と比較した。
結果は、HLA-Bについては、健常人集団にくらべHLA-B^*1501(30.4%vs.12.1%,P=0.004,PC=0.09)およびHLA-B^*5101(41.3%vs.12.9%,P=0.0002,Pc=0.004)の陽性率が患者集団において有意に高く(HLA-B^*1501:30.4%vs.12.1%,P=0.004,Pc=0.09,HLA-B^*85101:41.3%vs.12.9%,P=0.0002,Pc=0.004)、逆にHLA-B^*4403が全く観察されなかった(0%vs.21.6%,P=0.0002,Pc=0.004)。HLA-DRB1については、HLA-DRB1^*0802の陽性率が患者集団で有意に高く(21.7%vs.6.0%,P=0.003,Pc=0.08)、逆にHLA-DRB1^*1302が全く観察されなかった(0%vs.20.7%,P=0.0003,Pc=0.007)。HLA-DPB1については有為差の得られるアリールは認められなかった。また、有意な差が認められたアリールについて男女に分けて検討したところ、HLA-B^*5101の陽性率は男性患者集団のみに有意に高く(47.8%vs.12.9%,P<0,0001,Pc<0.002)、逆にHLA-B^*1501およびHLA-DRB1^*0802の陽性率は女性患者集団のみに有意に高かった(HLA-B^*1501:43.5%vs.12.1%,P=0.0003,Pc=0.005,HLA-DRB1^*0802:26.1%vs.6.0%,P=0.003,Pc=0.04)。
これらの結果から、男性においてはHLA-B^*5101、女性においてはHLA-B^*1501、HLA-DRB1^*0802それぞれのアリールと連鎖不平衡にある遺伝因子がHLA領域に存在し、それが口唇・口蓋裂発症において促進的に作用し、逆にHLA-B^*4403あるいはHLA-DRB1^*1302と連鎖不平衡にある遺伝因子がHLA領域に存在し、それが口唇・口蓋裂発症において抑制的に作用することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.SAKATA: "Significant association of HLA-B and HLA-DRB1 alleles with CL/P" Tissue Antigens. 53(2). 147-152 (1999)

  • [文献書誌] 坂田康彰: "口唇口蓋裂の疫学的研究(第13章 HLAによる解析)" 東山書房, 7 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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