研究概要 |
この研究の目的は口腔保健調査の診査項目を整備し,得られたデータの集計,分析,蓄積および結果の解釈に関し,地方自治体,保健所,保健センターに対し支援することである。その手段として,口腔健康調査用のデータベースソフトウエアを試作する。 新潟市の住民基本台帳より70歳および80歳全員(6,629名)を対象に,郵便による調査主旨説明を行い,参加同意書を依頼した。有効回答は79%,5267名から得られ,その内,母集団と著しく異ならないように性比率を調整し,70歳600名,80歳163名をコホート調査の対象者に選んだ。最終モデルでの診査項目を決定するための基礎情報を得るために,初年度の調査・診査項目は口腔診査(有歯顎率,平均残存歯数,歯と歯周の健康診査,根面う蝕,顎間接,口腔粘膜,唾液検査など),生活習慣アンケート,食生活聞き取り,全身疾患・健康状態(問診,一般検査,血液検査,心電図など),運動機能測定,骨密度測定など可能な限り多く設定した。実際のフィールド診査に先立ち,項目のコード化を計り,延べ1週間にわたる口腔診査者のキャリブレーションを行い,診査者間・内の一致性を検討する資料とした。 次年度は同じ対象者を追跡調査し,基礎資料を得るとともに,本年度得たベースラインデータを解析する予定である。
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