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1998 年度 実績報告書

歯の移動、固定、保定方法の生物学的制御

研究課題

研究課題/領域番号 10557197
研究機関岡山大学

研究代表者

山本 照子  岡山大学, 歯学部, 教授 (00127250)

研究分担者 宮本 学  岡山大学, 歯学部, 助手 (40252978)
山城 隆  岡山大学, 歯学部, 講師 (70294428)
キーワードカテプシンL / カテプシンK / 矯正的歯の移動 / in situ ハイブリダイゼーション / 免疫組織化学 / 骨吸収 / 骨形成
研究概要

矯正力という力の作用のみに頼らない生物学的、生理的な歯の移動、固定、保定方法の確立を目的として以下の基礎研究を行う。すなわち、プロトンおよびカテプシンL,K産生を調節して破骨細胞による吸収制御をはかること、一方、骨芽細胞がメカニカルストレスに反応して産生する骨吸収促進因子の同定を行い、この物質を用いて骨芽細胞と破骨細胞の協調性を断つことの両面より矯正的歯の移動を生物学的にコントロールできる可能性を開くことを目的に、本年はカテプシンLの分泌調節を、液胞型H^+-ATPase(プロトンポンプ)阻害剤のバフィロマイシンA_1、及びカーボニックアンヒドラーゼ阻害剤のアセタゾラミドを用いて免疫組織化学的に検索した。
その結果、対照群の破骨細胞において、カテプシンLの強い陽性反応を認めた。バフィロマイシンA_1投与群は、対照群と比較して、破骨細胞内のカテプシンL陽性反応に差は認められなかった。一方、アセタゾラミド100mg投与群の破骨細胞では、細胞内にカテプシンLの陽性反応を認めず、カテプシンLの合成が阻害されていることが示唆された。従って、破骨細胞でのプロトンの産生が、カテプシンLの合成、分泌に深く関わっている可能性が示唆された。さらに、我々はラット臼歯移動時の歯槽骨におけるカテプシンKmRNAの発現を検討した。カテプシンKmRNAは、歯の移動を行っていない対照群と比較して、移動開始12時間後より圧迫側歯槽骨の破骨細胞に特異的に発現し始め、骨吸収窩内に存在する破骨細胞においても同遺伝子の発現が著明に観察された。またカテプシンKmRNAを発現する破骨細胞の局在は経時的に広範囲に広がり、その数も増加する傾向を示した。
以上の結果から、歯の移動時の歯槽骨吸収において破骨細胞のカテプシンKが重要な役割を担っている可能性が示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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