研究概要 |
高齢者(80歳)の口腔領域に由来する全身健康促進因子を探る目的の一環として、介護の必要な特別養護老人ホーム入居者38名の細菌検査を行った。また、80歳の健康な高齢者591人の唾液検査を行った。 [細菌検査]歯垢、咽頭ともに真菌(Candida albicans,Candida glabrata)が高率(それぞれ歯垢55%,咽頭37%;歯垢21%、咽頭11%)に検出された。義歯装着者において、高率にCandida albicansが検出される傾向が認められた。歯垢中から腸内細菌(Enterococcus cloacae,21%;Citrobacter freundii,13%)も高率に検出された。 [唾液検査]生化学測定項目:総蛋自質、アルブミン、クレアチニン、血糖、GOT、GPT、γ-GTP、総コレステロール、中性脂肪、カルシウム、リン、IgG、IgA、IgM。唾液の採取はOraScreen唾液採取器を使用して唾液を採取した。唾液希釈液が測定した各生化学項目試薬に影響を及ぼさないことを確認した。試験した測定項目には、血清と唾液の相関性は無かった。ただし、それぞれの項目は唾液中でも測定でき、また、微量ながら唾液中に存在することが確認され、さらに各個人により存在量が異なることが見いだされた。
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