研究課題/領域番号 |
10557200
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
花田 信弘 国立感染症研究所, 口腔科学部, 部長 (70180916)
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研究分担者 |
稲葉 大輔 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (90146085)
米満 正美 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80092451)
江藤 亜紀子 国立感染症研究所, 口腔科学部, 研究員 (50291125)
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キーワード | う蝕 / 歯周病 / 肺炎 / 連鎖球菌 / 唾液 |
研究概要 |
本研究は、高齢者(80歳)の口腔領域に由来する全身健康促進因子を解明することを目的としており、今年度は新潟県を中心に、保健所等の協力を得て追跡調査を行った。検査項目は、歯垢と咽頭の微生物検査、唾液の微生物検査、生化学検査である。歯垢サンプル、咽頭拭い液からは、MRSA、MSSA、緑濃菌、β溶連菌、肺炎球菌、H.influenzae、K.pneumoniae、S.marcescens、M.catarrhalis、カンジダを検出した。唾液サンプルは、総連鎖球菌数、ミュータンスレンサ球菌数、乳酸桿菌数の測定と、歯周病関連菌の検出等を行った。唾液の生化学検査は総タンパク質、アルブミン、クレアチン、血糖、GOT、GPT、γ-GTP、総コレステロール、中性脂肪、カルシウム、リン、免疫グロブリン等を測定した。 さらに、全身健康促進因子の有力候補と想定される唾液中の抗菌ペプチドの検出方法の確立を試みた。対象とした抗菌ペプチドはディフェンシン、ヒスタチンなどである。ヒスタチンは元来、唾液中で発見されたものであるが、ディフェンシンは好中球や皮膚で発見された分子であり、まず、唾液腺由来のmRNAを用いてヒト唾液中で発現している分子を明らかにした。タンパク質レベルの検出は、ウェスタンブロット法、及び、HPLCによる分離を行った。ヒスタチンの検出のため、ボリクローナル抗体を作成したが、抗体価が低く、現在、新たな抗原を用いて作製中である。
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