研究課題/領域番号 |
10557202
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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研究分担者 |
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部付属病院, 講師 (10211301)
橋本 貞充 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10201708)
高田 隆 広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 教授 (40183941)
山田 了 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20103351)
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キーワード | 歯根膜 / 根面処理 / 再付着 / 結合組織性付着 / 上皮性付着 / 細胞増殖 / 細胞分化 / エナメル基質蛋白 |
研究概要 |
本研究では、結合組織性付着獲得による歯周治療後の理想的な治癒を得る事を目的として、歯根膜の細胞動態と根面処理との関連を解明し、結合組織性付着を獲得するための根面処理法の開発と臨床応用のために以下の研究を行っている。(1)歯根膜における細胞増殖と分化の機序(高田):ラット臼歯歯根膜の歯槽骨側から根面にわたる細胞群を分離培養し、細胞群間の分化増殖能を検討した。歯根表面に最も近くに存在する細胞群が他群よりも有意に高いALPase活性や石灰化物形成能示し、細胞増殖率は歯根表面に近い細胞群ほど低かった。(2)歯周組織の再生過程における神経の関与(前田):ラット実験的歯周炎群でのPGP9.5および神経ペプチドの局在を検討するとともに、歯根膜の再生に関与する神経系の栄養因子ならびに受容体をRT-PCR法にて検索し、BDNF、NT-3のmRNAおよびこれらの特異的受容体であるTrkBのmRNAが発現していることが明らかとなった。(3)歯根膜の再生と恒常性維持の機構(下野):培養歯根膜細胞およびマラッセ上皮遺残における、接着性蛋白、TGF-β、FGFの発現を検討している。(4)上皮性付着と結合組織性付着との相関(橋本):ラット実験的歯周炎群での内側基底板と半接着斑の構成蛋白およびIntegrin群を中心とした接着蛋白の局在を検討しており内側基底板ではIntegrinとCadherinが局在している可能性が示唆された。(5)Growthfactorによる歯周組織の再生(本郷):ビーグル犬実験的歯周炎群での歯根面露出後の種々のGrowth Factorの根面塗布の影響を検討している、(6)エナメル基質蛋白による結合組織付着の獲得(山田):ビーグル犬実験的歯周炎群での歯根面露出後のエナメル基質タンパクの根面塗布の影響を検討し、EMD群とGTR群では、形成されるセメント質の性状が異なることが示された。(7)再付着における微小循環の関与(関口):ラット実験的歯周炎群でのルートプレーニング後の血管鋳型標本による再付着と微小循環との関連、について現在検討を行っている。
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