研究課題/領域番号 |
10557211
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究分担者 |
百瀬 敏光 東京大学, 医学部・附属病院放射線科, 助手 (20219992)
石川 智久 ファイザー中央研究所, 主任研究員
加藤 将夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30251440)
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キーワード | 血液脳関門 / 血液脳脊髄液関門 / ABCトランスポーター / MRP / 有機アニオン |
研究概要 |
血液脳関門には、MDR1 P-糖蛋白が発現され、基質の脳移行を妨げているが、近年、それ以外の排出輸送担体が発現され、特に有機アニオン系化合物の中枢移行を制限する可能性が示唆されてきている。本年度はまずこの排出輸送系のcharacterizationを行った。血液脳関門のin vitroモデルとして、マウス脳毛細血管内皮細胞由来の培養細胞MBEC4を用いて検討を加えた。MBEC4monolaerに、monochloribimaneをpreloadし、細胞内で生成されるglutathione bimane(GS-B)の排出について検討を加えたところ、GS-Bは高親和性の機構により主として血液側に排出されることが示された。また、MBEC4細胞より膜ベシクルを調製して検討を進めたところ、GS-BのATP-依存性輸送が観察された。Western blotによりその実体がMRP1であることが確認され、またラット大脳皮質より単離された脳毛細血管内皮細胞にMRP1が発現されることが確認された。これらの結果は、血液脳関門にMRPが発現され、有機アニオン系化合物の中枢への侵入を阻害していること、この排出輸送機能を阻害することにより脳への薬物移行性増大を図りうることを示している。
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