研究課題/領域番号 |
10557212
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今井 一洋 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50012620)
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研究分担者 |
福島 健 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00272485)
三田 智文 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30187306)
本間 浩 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (50190278)
藤分 秀司 島津製作所株式会社, 研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | シークエンサー / エドマン分解 / 蛍光-HPLC法 / 光学分割 / ベンゾフラザン / 蛍光エドマン試薬 |
研究概要 |
我々は、これまでに、ベンゾフラザン骨格を有する蛍光エドマン試薬DBD-NCSおよび環化切断反応触媒としてBF_3を用いたペプチドのN末端逐次配列/絶対配置分析法を報告した。この方法は従来のエドマン法の転換反応を省略し、環化切断反応によって生じるチアゾリノン誘導体を検出する簡便な方法である。我々は、さらに、蛍光エドマン試薬であるPSBD-NCSおよびMSBD-NCSを合成した。これらの試薬を用いることでさらに数倍高感度化することができた。 一般にチアゾリノン誘導体は不安定であるため、より安定な誘導体に変換し分析することが望まれる。そこで、フェニルイソチシアネート(PITC)を用いて検討した結果、環化切断反応により生じたチアゾリノン誘導体を、塩酸-メタノール溶液中でチオヒダントイン誘導体への転換反応、あるいはチオカルバミン酸への酸化水分解により、低いセラミ化率で安定な誘導体へと変換できることを見いだした。そこで、蛍光性エドマン試薬DBD-NCSを用い、環化切断反応により生じたチアゾリノン誘導体を加水分解し安定なチオカルバミン酸誘導体とした後、過酸化水素で酸化することにより蛍光性のカルバミン酸誘導体を得た。これを蛍光-HPLC法で分析し、逐次配列/絶対配置分析を行った。 さらに、チオヒダントイン誘導体で蛍光性を有する蛍光エドマン試薬(MTBD-NCS)を合成した。MTBD-NCSは、チオカルバミン酸誘導体、カルバミン酸誘導体などでは蛍光性を有さないため、HPLCのクロマトグラム上に分解物由来の妨害が少なく、従来の蛍光エドマン試薬と比較してチオヒダントイン誘導体のピークの同定が容易にあった。MTBD-NCSとBF_3を用ることで、高感度なペプチドのN末端逐次配列/絶対配置分析法を開発できた。本法は、市販のペプチドシークエンサーに応用できるため極めて繁用性が高いと考えられる。
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