研究分担者 |
加藤 聡 金沢工業大学, 機械物質系, 教授 (60288264)
鳥羽 陽 金沢大学, 薬学部, 助手 (50313680)
木津 良一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80143915)
安居 嘉秀 島津製作所, 機器事業部, 主任研究員
柿本 均 石川県環境保健センター, 主任技師
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研究概要 |
1.自動ニトロアレーン(NPAH)分析計の基礎検討:昨年度の基礎検討結果に基づいて,蛍光検出HPLCPt/Rhカラムを導入した自動還元濃縮ニトロアレーン分析システムを完成し,その最適運転条件を確立した.これをディーゼル車排出粉塵のベンゼン/エタノール抽出物に適用したところ,1,3-,1,6-,1,8-ジニトロピレン(DNP)及び1-ニトロピレン(NP)等をアルカリ,酸及び水で順次洗浄するだけの簡単な前処理で,オートサンプラーの使用による連続定量分析が可能になった. 2.ディーゼル粉塵(DEP),ガソリン粉塵(GEP)及び大気粉塵(AAP)の比較:NPAH分析法をDEPとAAPの抽出物に適用し,特に2-ニトロフルオランテン(NF)及び1-,2-,4-NP,6-ニトロクリセン(6-NC)の大気内挙動を解析した.その結果,1-,4-NP及び6-NCはDEPとAAPの何れからも検出されたが,2-NFと2-NPはDEPに検出されず,AAPのみに検出された.さらに,大気中の2-NFと2-NPは都心より風下の郊外で存在比が増加することから,これらがディーゼル車から放出された後に大気内で二次生成され,大気輸送される間に生成反応が進行していると考えられた. 3.単気筒ディーゼル機関の運転条件とDEP排出特性:前年度の検討に基づいて,ディーゼル内熱機関を負荷の異なる条件で運転し,DEPをサンプリングし,ソックスレー抽出で可溶性画分(SOF)を得て,PAH,NPAHを分析した.その結果,DEP排出量は負荷が大きいほど増加したが,SOF/DEP比は負荷の違いによらずほぼ一定であった.PAHとNPAHの排出量及び直接変異原性は負荷が大きいほど増加したが,それらのSOF中濃度及びSOF単位量当たりの変異原性は負荷が大きいほど低い傾向があった.軽油にDMC5%を添加しても,これらの値に顕著な変化は見られなかった.
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