研究課題/領域番号 |
10557222
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 厚 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10025695)
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研究分担者 |
浜中 信行 小野薬品工業株式会社, 創薬第1研, 主席研究員
根岸 学 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60201696)
杉本 幸彦 京都大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80243038)
丸山 隆幸 小野薬品工業株式会社, 創薬第1研, 研究員
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キーワード | プロスタグランジン受容体 / EP3サブタイプ受容体 / G蛋白 / プロスタグランジン受容体欠損マウス / EP2受容体欠損マウス / 排卵 / 受精 / 卵丘細胞 |
研究概要 |
【京都大学グループの成果】 1.プロスタグランジン(PG)受容体のリガンド認識ドメインと機能ドメインの解析: PGE2の1位カルボン酸は、EP3サブタイプ受容体の第7膜貫通領域にあるアルギニン(Arg-306)残基と結合する。両者の結合の化学的性質は、Gi活性化のおいては水素結合で十分であるが、GsおよびGqの活性化にはイオン結合が必須であることが明らかにした。Arg-306残基の少し下流にあるAsp-318の負電荷は、受容体とGi蛋白との結合には無関係であるが、結合後のGi蛋白の活性化(GTPase活性の促進およびアデニル酸シクラーゼ活性の抑制)には必須であることを証明した。さらに、アゴニスト結合前の受容体では、Asp-318残基が第二細胞内ループのN-末側にあるG蛋白活性化モチーフ(DRY)のArg残基との間にイオン結合していることを示唆した。 2.PG受容体欠損マウスの代表的なフェノタイプの解析: EP2受容体のフェノタイプとして、排卵、受精の異常による出産数の顕著な減少を見出した。さらに、このフェノタイプを解析して、卵の成熟・受精に働く卵丘細胞にEP2受容体とCOX-2が発現していること、および排卵、受精の過程にはEP2受容体を介してのcAMPの産生が重要であることを明らかにした。 【小野薬品工業(株)研究所グループの成果】 1.4種類あるPGE2受容体サブタイプの遺伝子クロンを発現させた動物細胞を用いて、それぞれのサブタイプ受容体に選択的なアゴニストを開発した。代表的な化合物として、EP1:ONO-DI-004,EP2:ONO-AE1-259,EP3:ONO-EA-248,EP4:ONO-AE1-329を発見した。これらは既知物質より選択性においてはるかに優れている。
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