研究課題/領域番号 |
10557234
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
|
研究分担者 |
長谷川 護 株式会社ディナベック研究所, 所長(研究職)
中西 真人 産業技術総合研究所, ジーンディスカバリー研究センター, 主任研究員 (10172355)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2001
|
キーワード | DNA / 核移行 / ファージ / テロメア / ガン / センダイウイルス / 膜融合リポソーム / 遺伝子治療 |
研究概要 |
本研究では、細胞膜を介した遺伝子のデリバリー、細胞質から核への遺伝子のターゲティング、核内での遺伝情報の安定化といった、ウイルスや染色体が持つ機能を解明し、これを非ウイルス型の遺伝子導入・発現系の構築に応用することを目標に研究を行った。主な成果は以下のとおりである。 1.膜融合による物質デリバリーの細胞特異性(Bリンパ球には導入できない)という現象が、レセプターではない未知の細胞側因子によって決定されていること、さらにこの因子の機能はセンダイウイルスのHNタンパク質との相互作用によることを明らかにした。 2.DNA-polymer複合体のモデルとしてラムダファージ粒子をモデルとして使う系を開発し、これを用いて、細胞膜を不安定化するTat peptideが細胞内への遺伝子導入を促進する活性があること、またSV40 T抗原由来の核移行シグナルがファージ粒子を核内に能動的に輸送する活性を持っていることを明らかにした。 3.核内で染色体が安定に存在できる機構を解明するため、染色体末端にあって安定性を決めていると考えられているテロメアに着目し、テロメア配列とテロメア配列結合タンパク質TRF1の相互作用がテロメアの形成に必須であることを明らかにした。 4.膜融合リポソームを使った遺伝子治療の応用例として、癌特異的プロモーターによって誘導される自殺遺伝子を使った癌の遺伝子治療法を開発し、ヒト胃癌腹膜播種モデルのマウスの治療に成功した。
|