研究課題/領域番号 |
10557256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (90234616)
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研究分担者 |
川島 みどり 健和会臨床看護学研究所, 所長
平木 民子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (60308286)
奥原 秀盛 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (60288066)
中木 高夫 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (40110564)
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (10208580)
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キーワード | 看護学生 / 論理的思考 / 教育方法 / ソフトウエア / ルールセット / 推論過程 / 看護過程 / 看護実践能力 |
研究概要 |
本研究は、看護実践の方法である看護過程を展開していくうえで重要な看護者の推論過程の本質解明に取り組み、思考の論理構造を見出したうえで、学生の科学的思考、実践的な視点を育成することを目指したソフトウエアの開発と、このソフトウエアを使用した授業形態の考案と効果の測定を実施する目的で行っている。 平成10年度は、ソフトウエア開発の主軸となるルールセットの作成を目指し、推論過程の影響要因とされる暗黙の論理を見出す手がかりを得るために看護者の思考の実態を探る予備的な調査を実施した。調査の対象者は計14名の臨床経験年数1年未満〜10年以下の者とし、一人の看護者に対し一人の調査者が看護者の2日にわたる勤務時間帯のあいだ参加観察法と面接法のどちらか、あるいは併用でデータを収集した。データは対象施設及び対象者の了解が得られた場合はビデオ撮影及びテープ録音に収めた。分析は当該看護者が主として対-患者場面でどのような考えに基づきどのような行動をなぜとっているのかが見えるデータへと記述化し、そこでどのような推論が機能しているのかをできる限り細かく導き出していった。結果、明らかに看護者独自の暗黙の論理が確実に存在しているらしいことや看護者の経験年数による推論過程の量的、質的相違が導き出された。この予備的な調査は対象者や状況の条件を特に定めずに実施したが、より変数を絞り込んだ本調査の前段階としての意義は十分に見出されている。平成11年度ソフトウエア開発の主軸となるルールセットの作成へと到達するためには、より領域を限定し、状況を絞り込んだうえで看護者の推論過程をより深く立体的に得るための本格的な本調査に早急に取り組む必要性が示唆された。
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